ジェーン・バーキン 28歳のまばゆい美しさ 「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」場面写真

作曲家・作詞家・歌手・俳優・映画監督・小説家として活躍したセルジュ・ゲンズブール没後30年を記念して公開される、ゲンズブールの初映画監督作「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」の「4K完全無修正版」から、撮影当時28歳のジェーン・バーキンのまばゆい美しさが切り取られた場面写真が公開された。

公開された場面写真では、ほかに行くあてもなくカフェで働くジョニー(ジェーン・バーキン)の姿、ジョニーがゲイのクラスキー(ジョー・ダレッサンドロ)と恋に落ちる瞬間であるダンスシーン、クラスキーのパートナーであるパドヴァン(ユーグ・ケステル)からジョニーが激しく嫉妬されるシーンなどが切り取られている。

「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、1969年にリリースされたセルジュ・ゲンズブールの同名の楽曲をモチーフに作られた映画。ジェーン・バーキンとのデュエットソングである元の楽曲は、性行為を思わせる歌詞や歌中に収録されたあえぎ声が物議を醸した。当時のローマ法王が激怒し、ヨーロッパのほとんどで放送が禁止されたが、イギリスでは外国語楽曲として初のシングル・チャート1位を記録し、本国フランスや日本など世界的な大ヒットとなった。

映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」では、文明社会のゴミ捨て場を舞台し、マイノリティが虐げられて暴力が蔓延する世の中で、愛なしには生きることができない哀しい人々を描く。随所に「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のインストゥルメンタル版が使用されている。主演のジョニーを演じるのはジェーン・バーキン。ジョニーと惹かれ合うクラスキーは、ポップ・アートの旗手アンディ・ウォーホルに発掘されたジョー・ダレッサンドロが務めている。

1975年の公開時、ヌーベル・ヴァーグを代表する映画監督フランソワ・トリュフォーからは絶賛されるも、当時ロングヘアのイメージだったジェーン・バーキンが短髪となって登場した衝撃もあり、「ゲンズブールはバーキンをゴミ箱へ入れた」と酷評され、赤裸々な同性愛の描写も理解されなかった。イギリスなどでは性表現のきわどさから上映禁止となり、日本では1983年に性的なシーンを修正した英語版がようやく公開された。その後、1995年のリバイバル上映時にもやはり修正が加えられていた。

【作品情報】
ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版
2021年5月29日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
配給:セテラ・インターナショナル
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