瀬々敬久、行定勲、白石和彌 オスカー受賞の「ファーザー」アンソニー・ホプキンスに称賛のコメント

アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じ、本年度アカデミー賞主演男優賞を受賞した「ファーザー」が、5月14日に劇場公開される。劇場公開を前に、本作を一足先に鑑賞した瀬々敬久監督、行定勲監督、白石和彌監督によるコメントが公開された。アンソニー・ホプキンスを称賛するコメントが寄せられた。

「糸」などの瀬々敬久監督は、「アンソニー・ホプキンスの一挙手一投足は舞踏のように荘厳でありながら、リアリティの極致に到達している。人間という『生き物』演じながら、人生の『真実』にれてくる。まるで即身仏のようで、私たちは初めてこのような映画を見る幸福を味わえるのだ」とホプキンスの演技を称賛している。

「窮鼠はチーズの夢を見る」などの行定勲監督は、「アンソニー・ホプキンスのリアリティのある深淵なる演技。失われし記憶、しかし、執着だけは残る人間の悲しみ。これは他人事ではない。これほど自分の記憶が抜け落ち混濁する様をここまで実感できる映画はなかったのではないか」とコメント。「孤狼の血」などの白石和彌監督は、「認知症である父の視点で戸惑い不安に陥りながら過ごす90分。スリラーのような感覚に陥るが、見終わるととても愛しい時間を過ごしていたことがわかる。アンソニー・ホプキンスの素晴らしい演技にただただ圧倒された」と感想を述べている。

「ファーザー」は、歳を重ねることによって誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描いた作品。フランス演劇界最高位のモリエール賞で脚本賞を受賞した、フランス人の劇作家フロリアン・ゼレールの舞台を原作としている。原作舞台は、パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界30カ国以上で上演され、日本でも2019年に橋爪功、若村麻由美によって上演された。映画化にあたっては、ゼレール自身が長編初監督作としてメガホンを取っている。本年度アカデミー賞で、アンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞したほか、脚色賞も受賞している。

【作品情報】
ファーザー
2021年5月14日 TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
配給:ショウゲート
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