韓国で東京五輪の開催悲観論 ”感染者増加が続き責任回避の算段がついたら当局が中止を決断”

韓国から五輪開催悲観論が噴出

韓国で今夏の東京五輪開催に対して悲観論が高まっている。

韓国紙「韓国経済」は、日本で新型コロナウイルスの変異株を中心にして感染が急拡大している現状を受けて「五輪の開催前に感染者数を安心なレベルまで低減するのは難しいようだ」と指摘。そして、日本の検査体制の〝不備〟を追及した。

「〝隠れた感染者〝が多い。日本は欧米諸国に比べて感染者数が少なく表示されていたり、積極的に検査をしていない対応も含めて表に出てこない感染者が多いという危険を内包する」と糾弾。東京では検査対象を狭めるなど、相変わらず検査数は増えないままで実際の感染者数は公式発表よりも多い可能性がある。また民間での検査数が急増しており、そこで判明した感染者数の実態を正確に把握できていないとの懸念もある。

さらに「今後十分な量のワクチンが確保されても、国民全体を対象とした接種は〝長い旅〟になるだろう。昨年、五輪開催の1年延期を決定した後に当時の安倍晋三首相は『(日本の技術で)ワクチンの開発が行われており、早ければ(2020年)7月に治療、効力検証を開始できると予想される』と答えた。しかし実際は、このような大言壮語とはかけ離れた展開になり、日本国内のワクチン開発どころか外国産のワクチン接種さえまともに行われていない」とワクチンを巡る日本の厳しい現状も批判した。

そのうえで東京五輪の開催について「日本の政治家と官僚は自らの口で『開催を中止する』という言葉は最初に出さない。責任問題に極めて過敏だからだ。政策当局の本音は『仕方なかった』という段階にまで至って、自分たちの責任ではないとなったらそうなるだろう」と感染者数の増加が続いて責任を回避できる算段がついたら中止を決断するとの見解を示した。

海外では中止や延期論が広まっており着実に〝外堀〟が埋まりつつある。

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