佐藤琢磨が2個目のベイビーボルグトロフィーを授与「旧タイプと新タイプのトロフィーを持っているのは僕だけ」

 NTTインディカー・シリーズが行われたセント・ピーターズバーグの23日金曜日、2020年のインディ500ウイナーである佐藤琢磨にベイビーボルグトロフィーのプレゼンテーションが行われた。

 本来ならベイビーボルグの授与は、年始のデトロイトショーで行われるのが慣例だったが、2020年のインディ500開催が8月であり、なおかつコロナ禍の影響もあっったことから今回セント・ピーターズバーグで授与される運びとなった。

 ベイビーボルグトロフィーフィーは、インディ500に優勝したドライバーとチームオーナーに贈られるもので、ドライバーに贈られるベイビーボルグには、オリジナルのボルグワーナートロフィーと同じように純銀で縮尺1/10の顔の彫刻が施されている。

 プレゼンテーションは金曜日のインディカーのプラクティス終了後、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのホスピタリティで行われた。チームオーナーのボビー・レイホールとマイク・ラニガン、そして琢磨が出席し、もうひとりのオーナー、デイビット・レターマンはあいにく欠席となった。

トロフィーを受け取った琢磨とチームオーナーたち

 まず最初にボビー・レイホールとマイク・ラニガンにベイビーボルグが、ボルグワーナー社のCEO、フレデリック・リサルデ氏より贈呈された。

 レイホールはドライバーとして1986年にインディ500に優勝、チームオーナーとしては2004年にインディ500を制しており、2020年のインディ500優勝で3本目のベイビーボルグを受け取ることになった。

 レイホールはトロフィーを受け取ると高々と上げてホスピタリティ内の出席者から拍手を浴びた。

 最後にトロフィーを授与されたのはドライバーの琢磨だった。琢磨にトロフィーを授与したリサルデ氏は「タクマと皆さんにベイビーボルグをお渡しできることを光栄に、そしてうれしく思います。タクマさんには2度目のベイビーボルグトロフィーになりますが、タクマさんと一緒にボルグワーナートロフィーも日本でもどこに持って行っても構いませんよ(笑)」とスピーチし、場内を沸かせた。

 2017年にインディ500に優勝した際は、シーズンオフにボルグワーナートロフィーが初めてアメリカを出て日本にやってきて、ホンダレーシングサンクスデーやホンダ南青山本社、シーズンオフの各表彰式などを巡って日本のファンにお披露目していた。

 今回もその時のように、どうぞ日本に持って行ってくださいと言わんばかりだった。

 琢磨はトロフィーをもらってマイクを受け取りスピーチ。

「ありがとうございます。こうしてベイビーボルグを受け取れるのは光栄なこと。感謝の気持ちでいっぱい。これもチームと30号車のクルーのおかげです」と笑顔で語った。

 最後にレイホールやラニガン、全員が揃ってフォトセッションとなった。

 その後琢磨はトロフィーを持ってRLLのガレージの所へ行き、30号車のクルーひとりひとりと写真を撮り、最後にチームで写真に収まった。

30号車のチームクルーと記念撮影を行う佐藤琢磨

「このトロフィーはチーム全員の力で勝ち取ったトロフィーだから、クルー全員に見て欲しかった。みんなもすごく喜んでくれたし、今年も頑張ろうって言ってくれました。本当に光栄だと思います」

「今年からベイビーボルグの形が少し変わって、顔がある台座のところが黒くなってますね。だから旧タイプ(2017年)と新タイプの両方を持っているのは僕だけってことになります(笑)。これはシーズンオフには日本に持って帰るので、日本のファンの皆さんにも見てもらいたいです」琢磨。

 連覇を目指して挑む第105回インディ500では、どんな活躍を見せてくれるのだろうか?

佐藤琢磨の彫像が飾られたベイビーボルグトロフィー

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