井岡一翔ドーピング疑惑で浮上した格闘技界の大麻事情…海外では「麻酔の一種」の感覚

ドーピング疑惑が浮上した井岡一翔

WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=Ambition)がトーピング検査で大麻成分に陽性反応を示したことが明るみに出たことで「格闘技」と「大麻」の関係に改めて注目が集まっている。元統一ヘビー級王者のマイク・タイソン(54=米国)が昨年12月に大麻吸引を告白するなど、大麻やCBDなど大麻成分を含んだ薬物を使用するボクサー、格闘家は少なくない。

米国の一部の州やオランダ、カナダなど合法化する国が増えていることもあって〝敷居〟が低くなってきたことも事実だ。海外の格闘技事情に詳しい関係者は「井岡選手のことは全くわからない」と前置きした上で、格闘技界の〝大麻事情〟をこう説明する。

「日本の法的問題は置いておいて、体の痛みに耐えるために使用するケースはありますね。使用するボクサーや格闘家の感覚では麻酔の一種です。これは私が実際に聞いた話ですが『酒とタバコのほうがハードドラッグ。マリフアナ(大麻)のほうが体のダメージはない』というドクターまでいますから」

医療目的やハードなトレーニングに耐えるために使用するファイターは多いようだ。ただ、同関係者はそれはあくまで海外の選手に言えること、と指摘する。

「合法化されている国もありますから、海外の選手のほうがマリフアナとの付き合い方がわかっているし、使用量をコントロールできている。だけど、日本人は免疫がないのでコントロールが難しいんじゃないでしょうか。私は医療目的でも選手は使用しないほうがいいと考えています」

日本ボクシングコミッション(JBC)は27日、一翔の一件に関して倫理委員会で調査、審議を行っていることを発表。一翔の代理人弁護士は合法とされる「CBDオイル」の使用を認める一方で、不正薬物の摂取を否定しているが…。今後の動向から目が離せない。

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