教員のわいせつ事案根絶へ 神奈川県教委、過去の処分歴の確認徹底

神奈川県庁

 教職員のわいせつ行為の根絶に向け、神奈川県教育委員会は倫理指針の策定などを盛り込んだ新たな対策をまとめた。専門家との連携や採用時の確認の徹底なども強化する。

 取り組みは早期に具体化させ、2021年度内に実施していくとしている。

 倫理指針は教育の専門家としての自覚や意識を高める目的で、校長らの意見を聞きながら7月ごろまでに策定する。

 また、児童・生徒への適切な指導のあり方を映像化した資料を作成し、研修で活用。性被害が児童・生徒に深刻な影響を与えることを専門家やNPO団体の関係者らが伝える研修も実施する。このほか、教職員が自分の心理状況を客観的に分析できる「チェックシート」も作成し、活用を進める。

 採用時の確認強化も打ち出した。

 官報に掲載された教員免許失効の情報を調べるシステムの検索期間がこれまでの直近3年から、今年2月までに直近40年に延長されたことを踏まえ、採用試験時の処分歴などの確認を徹底。過去に他県などでわいせつ事案を起こして懲戒処分を受けて教員免許を失効した教員が、再取得後に採用試験に応募してきた場合に気付けるようにする。

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