米警官が黒人男性を射殺、遺族が映像公開を要求 ノースカロライナ州

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米ノースカロライナ州で警官が黒人男性を射殺する事件が発生し、警官のボディーカメラの映像を公開するよう求める声が高まっている。

アンドリュー・ブラウンさん(42)は4月21日、警官に拘束される際に銃で撃たれ、亡くなった。

遺族は、ボディーカメラの映像のうち20秒しか見られなかったと説明。ブラウンさんの死は「処刑」だったと述べている。

ブラウンさんが死亡した状況は詳細が明らかにされていない。この事件の後、警官7人が休職扱いとなった。

27日には連邦捜査局(FBI)がこの件について「連邦法が破られていないかを見極めるため」、公民権をめぐる捜査を開始した。

ブラウンさんの死亡事件は、アフリカ系アメリカ人に対する警察の暴力への懸念が高まる中で起きた。

ブラウンさんが亡くなる前日には、昨年5月に白人警官に首を押さえられて亡くなったジョージ・フロイドさん事件で、元警官のデレク・ショーヴィン被告に有罪評決が出された。

ブラウンさんに何が起きた?

ブラウンさんは21日、ノースカロライナ州エリザベスシティーで警官に射殺された。しかし、実際に起こったことの大半は不透明なままだ。

パスコタンク郡のトミー・ウーテン保安官とダニエル・フォグ次官は、ブラウンさんに関する薬物関連の逮捕状を施行しようとしていたと説明している。

ブラウンさんの遺族は27日、ブラウンさんは警官らから車で逃げようとしたところ、後頭部を含めて5回撃たれたと発表した。

遺族が独自に行った検視結果では、ブラウンさんは腕を数回撃たれているが、致命傷となったのは後頭部の傷だったという。

当局による検視結果はまだ発表されていないが、ブラウンさんの死亡証明書では、頭部への銃撃が死因だと示されている。

「父が処刑されるのを見た」

遺族は26日正午までにボディーカメラの映像全てを見せるよう要求していたが、保安局が一部を編集していたため、公開が遅れた。

保安局は最終的に、20秒間の動画を遺族に見せた。遺族らはその後、事件時のボディーカメラの映像全てを公開するよう求めており、28日にも裁判所が可否を判断する。

ブラウンさんの息子カリル・フェレビーさんは、「父が処刑されるのを見ました。父が逃げようとしていたのは明らかです」と話した。

遺族の弁護団に所属するベン・クランプ弁護士は、「ブラウンさんは後頭部を撃たれて亡くなった」と話した。クランプ弁護士は他にも、フロイドさん事件を含む、警察による銃撃で亡くなったアフリカ系アメリカ人の遺族を代表している。

チャンテル・チェリー=ラッシター弁護士は、「ブラウンさんは車のハンドルに手をかけていた。何かに手を伸ばそうとはしていなかったし、何も触っていなかった」と述べた。

市長が外出禁止令を発令

ウーテン保安官は、動画の公開を支持している。公開には裁判所の命令が必要だが、すぐに許可が出るとみられている。

一方でウーテン保安官は、動画の内容から結論を導くのは危険だと説明。「動画からは全体の一部しか分からない」と話している。

「この悲劇は30秒以内に慌ただしく起こったことで、ボディーカメラは揺れていて、内容を読み取るのも難しい状況だ」

エリザベスシティーのベティー・パーカー市長は、動画の公開に先駆け、午後8時から翌午前6時までの外出禁止令を出した。

「動画の公開を受けて市内に不安定な状況が訪れる可能性があるため」としている。

(英語記事 Family of black man shot by US police demand video