コロナ禍のプチ贅沢 北海道の食「ハム・ベーコン・チーズ・フルーツ大福」

けいナビ

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今回は北海道が誇る食の魅力を紹介する「北海道 食の王国」。コロナ禍でも人気右肩上がりのプチ贅沢な商品を取り上げる。

狙うは“ごちそう”需要 伝統のハム・ベーコン

北広島のエーデルワイスファーム。本場ドイツでも珍しくなった、手間をかけた伝統の製法でハムやベーコンを作り続け、四半世紀になる。

燻製仕立てのスモークスペアリブ。脂に甘みを出すため、ある製法にこだわっている。

マイナス2度で4週間、熟成をかける「長期氷温熟成」と呼ばれる製法で肉を塩漬けする。味が良くしみこみ、脂身にうま味が出るという。いぶす工程にも、こだわりが。スモークに使われるのは、桜のウッドチップが一般的。エーデルワイスファームでは、ワイン樽にも使われるオーク材の薪を使う。火力も電気やガスではなく炭火にすることでより深く、香ばしい風味を醸し出している。

エーデルワイスファームの商品は、もともと牧場を経営していた先代が家族と食卓で食べるために作っていたもの。そのおいしさを知った札幌のホテルのシェフ達の呼び掛けに応じ、1986年に商品化した。だからこそ、いまでもこだわっているのは「手作り」。そして牧場時代に家庭で作った”ごちそう”という感覚だ。

野崎社長は「ハム・ベーコンというカテゴライズではなく、ごちそうというマーケットを意識している。ライバルはハムベーコンでなくて『ごちそう』だと思っている」と話す。

こうした「ごちそう需要」はコロナ禍でますます拡大し、今年2月期の売上高は2億4200万円に。前の期に比べ26%も増加したという。外食に取って代わる「ぜいたく品」として人気を集めた。去年の12月には年末年始に向けた注文が殺到。月初めの1週間だけでその月の生産分を完売した。

拡大する需要に応えるため、今年の秋には恵庭に第2工場を新設する。生産能力は3割ほど増え、新たにハンバーグなどの加工品も手掛ける計画だ。工場新設のほか、本店レストランも改装する。投資額は合わせて約1億8,000万円を見込んでいる。

札幌発! 完全受注生産のフレッシュチーズ

きんちゃく型のチーズを切ると、中からあふれ出すのはミルキーな生クリームとフレッシュなモッツアレラチーズ。

ブッラータと呼ばれるこのチーズ。味はもちろん、見た目の華やかさもありSNSなどで人気急上昇中だ。

このチーズが、札幌で作られている。白石区に工房を構えるファットリアビオ北海道。チーズの本場イタリアから北海道へ移住した職人が手作業で作る、フレッシュモッツアレラチーズが看板商品だ。

創業は2013年。札幌出身の高橋社長が東京のレストランで知り合ったイタリア人からの言葉がきっかけだった。日本人が海外ですしを食べた時のように、イタリア人が日本で食べるチーズの味は本場のものとは少し違うのだという。

こだわったのは、作りたての新鮮さ。本場イタリアのチーズマスター、ジョバンニ・グラツィアーノさんを招いた。こだわりの味はすぐに認められ、創業翌年にはジャパンチーズアワードで金賞を受賞した。

ここでチーズの製造工程を見てみよう。まず生乳を加熱・殺菌し、乳清の「ホエー」と「乳固形分」に分離する。見た目は牛乳プリンのようだ。分離したホエーを再び熱するとリコッタチーズに。乳固形分を加熱して練り上げれば、モッツァレラチーズやカチョカバロになる。

ブッラータの値段はひとつ(125グラム)1,620円。モッツアレラと並ぶ看板商品 リコッタチーズも、250グラムで1,296円と決して安くはない。それでも全国各地からネットでの注文が絶えないという。

工房では、1日で2,000リットルの生乳から約300キロのチーズを作る。職人による手作業で、大量生産はできない。ほとんどが受注生産となり、卸し先は東京が中心だ。北海道内では工場に隣接する直売所のほか、札幌の商業施設や新千歳空港で販売している。

青果店のSNS映え和スイーツ「果実大福」

フルーツカクテルやフルーツビュッフェが人気を集める札幌のレストラン「果実倶楽部」。青果店の事業部として開業して17年、いまは三代目がプロデュースしている。果物のプロが厳選した旬のフルーツを味わえるのがウリだ。

その三代目が今年打ちだした新作が「果実大福」。

北海道産のもち米「きたゆきもち」を使ったやわらかく、粘りの強い「もち」にこだわった。

この「果実大福」。完成までに2年を要した。餅で肝心の果物を包むことは難しく、果物から出る水分で生地が割れてしまうこともあるためだ。こうしたことから、フルーツ大福の生地には白玉粉を使った求肥(ぎゅうひ)が使われることが多いのだという。

庄司社長は「北海道は米離れという現状もあり、どうしても北海道のもち米を使ったものでフルーツと掛け合わせたものを作りたいと思った」と話す。使うフルーツも果物のプロが目利きした一級品だ。イチゴは、当別町で栽培される「よつぼし」という品種。イチゴの糖度は平均で10度前後だが、よつぼしは糖度が13度以上と甘みが強く、みずみずしいのが特徴だ。

いまの季節は、香りのいい愛媛のゴールデンオレンジやキウイなどの大福が並ぶ。庄司社長は「今後はサクランボや北海道民が好きなメロンも出てくるし、モモも構想に入っている。できる限り北海道のフルーツを使いたい」と話す。

フルーツの味を生かすため、甘すぎない白あんを選んだ。もちとあんこを一緒に食べてこそ、フルーツのうま味が感じられる一品に仕上がった。今年1月にデビューしたばかりだが、すでに毎月3,000個を売り上げる大ヒットに。今後は月に1万個の生産を目指すという。

コロナ禍で注目される「プチ贅沢」。北海道の食材に商機がありそうだ。
(2021年5月1日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)