良血2歳馬が白いメンコに謎の文字? その真相を厩舎に直撃!

新しいメンコに隠された意味とは…

【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!」】

先週の土曜日(4月24日)、トレセン記者になった当初から担当させていただいている平田厩舎が阪神9、10Rと2連勝を達成しました。

3歳のギャラントウォリアは平田厩舎の功労馬グランデッツァの半弟という〝ゆかりの血統〟ですし、4歳のカレンシュトラウスはこのまま行けば重賞でも…と楽しみになるような強い勝ち方。今年のはじめ、厩舎の看板馬だったゴールドドリームが引退して種牡馬になり、ケイアイノーテックはオーストラリアへ…。どの馬も大切でかけがえのない存在なのはもちろんなのですが、それでもこの2頭がいなくなり、どこかぽっかりと穴の空いたような気持ちになっていただけに、嬉しい嬉しい勝利でした。

さて、そんな平田厩舎には、おそらく新聞などには出ないであろうちょっとしたニュースが。今月の頭に新しく入厩した2011年の桜花賞馬マルセリーナの子フェニックスループ(牡2=父キングカメハメハ)が坂路を駆け上がっていたのですが、見たことのないメンコを着けていたんです。

通常、トレセンでの調教時に着けるメンコは「厩舎メンコ」といって、厩舎独自のもの。平田厩舎のメンコは黒地に厩舎カラーのオレンジor白の糸で刺繍がされてあるものが多かったはず。ところがフェニックスループは、真っ白のメンコを着けていたんです。そして、おでこの部分には大きく梵字が…。すごく目立っていたので気になって、厩舎で聞いてみちゃいました。すると厩舎の方々が口々に「よく気づいたな」「うちの新作メンコの試作版やねん」と。

なんでも、これから暑くなる季節に向けて、「少しでも熱がこもらないように」と白を選んでみたそうです。では、おでこの梵字は何と書いてあるのでしょう? すると厩舎の方々は目を見合わせてニヤニヤ。「当ててみて」と言われたので、

「愛、ですかね!直江兼続の!!」とドヤ顏で答えたところ、

「ハズレー!」「正解は…」

「馬やで」

なんですと? 馬に「馬」って、たしかに馬ですけど…。それって私が「人間」の名札をつけて歩いてるようなもんで…。若干頭がグルグルしましたが、なんだかくすりと笑ってしまいました。

それに、梵字は神仏を一文字で表す神聖な文字で、幸運をもたらすこともあるとか。とにかく馬が大好きで、レース前取材の際も「こいつめっちゃ可愛いで」とか「いい奴でな~。俺好きやねん」とか、新聞には乗らないコメントを多々挟む平田先生らしいメンコだなって思いました。

おそらくこれからトレセンで見かけることが増えるであろう、平田厩舎の梵字白メンコ。馬たちの無事と幸運を願う〝お守り〟になってくれると思います。

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