実は最近、日本のお弁当スタイルの広まりを、ホーチミンでは感じています。
例えば、もともとホーチミンではデリバリーがとても盛んで活発な飲食シーンのひとつでしたが、新型コロナウィルス感染症の影響により、それがさらに加速するなか、日本スタイルの使い捨てのお弁当ケースが多用されるようになってきています。
以前は、手弁当と同じように、仕切りのないコンテナに詰めるだけ、というスタイルが多かったのですが、今は仕切りがあって、各おかずの味が混ざらないように配置する、というスタイルが増えてきています。
またレストランでも、いわゆるワンプレート的な感覚で、日本食以外の食事を提供するお店が、前菜、メイン、サイドディッシュ、デザートを、和の雰囲気あふれるデザインのお弁当箱にまとめて盛って提供したりもしています。
そこには実利性やファッションなど、いろんな意味があるかと思いますが、弁当、という言葉が BENTO と表記され、浸透しつつあるのを見るのは、日本人としてはちょっと嬉しく楽しい変化です。
それぞれの国のスタイルがありつつ尊重しつつも、良いところは柔軟に取り入れて、より良いお弁当スタイルを目指す。過去にいろんな国との関わりを持ちつつ、諸外国の良いところはどんどん取り入れ発展してきた、ベトナムという国のしなやかな強さは、お弁当文化の変化のなかにも表れているように思います。 ベトナムのお弁当事情、まだまだこれからが楽しみですね!
Text・写真提供:ちぇり(フードアナリスト)
Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)