【新日本】KOPWで無敗の〝絶対王者〟矢野がEVILを暗闇葬「明けない闇はない」

矢野通(左)がEVIL(中央)に急所打ち。左はディック東郷(新日本プロレス提供)

新日本プロレス28日の鹿児島大会で行われた「KOPW 2021」争奪戦は、保持者の矢野通(42)がEVILの挑戦を退けてタイトル防衛に成功した。

「NEW JAPAN CUP」準々決勝で敗れたEVILとの争奪戦は、リング4隅に設置された黒頭巾を相手に被せた状態でのみ3カウントなどの決着が認められる「暗闇創造黒頭巾マッチ」として行われた。矢野は場外鉄柵にテーピングで両手を縛られ、あわやリングアウト負けの危機に瀕するが、頭を振って被せられていた黒頭巾を外しカウントを無効化する。

複雑なルールのなかでは両者の思惑が絡まり合う。EVILがセコンドのディック東郷(51)を使って会場の電源を落とすと、矢野は暗黒のなかでワイヤーチョーク攻撃を浴びてしまい窮地に。SCORION DEATHLOCKに捉えられるも再び黒頭巾を外して〝ブレーク〟に成功した。

矢野は反撃とばかりにマジックキラーを阻止すると、黒頭巾をかぶせたEVILのもとに東郷を突き飛ばす。視界を奪われた暗黒王は東郷にEVIL(変型大外刈り)を誤爆。一気に数的不利を快勝した矢野は、そのままEVILに背後から急所攻撃を浴びせ、横入り式エビ固めで3カウントを奪ってみせた。

試合後は前哨戦でEVILによって真っ黒に染められてしまったトロフィーをスプレーで金色に戻し「おー! 前よりも輝いている! マイベイビー…。こんなにもうれしいことはない」と喜色満面。「お前らもよく分かったろ。明けない闇はないんだ。俺はもうギリギリで、ギリギリまで追い詰められた。昨日も実は30分しか寝れてない。でも! そんななかでも! 信じ続ければこうやって、輝きを取り戻せる。美しい! 素晴らしい!」と勝ち誇った。

昨年8月に新設されたタイトルを獲得後、いまだ無敗。元IWGPヘビー&インターコンチネンタル2冠王者まで退けた矢野には、KOPW絶対王者の風格が漂ってきた。

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