【おもしろ小箱】 No.217「『宝山の一角』片山古墳出土品の再会」

▲右上:耳環、右下:鉸具(ともに山口大学蔵)左:杏葉(山口県立山口博物館蔵)

 上の3点の写真は、防府市の右田ヶ岳の南西山麓に立地していた片山古墳(古墳時代後期の前方後円墳)から出土したものです。

 右の2点(耳飾りと馬具)は大正4(1915)年、ミカン畑造成のため、古墳が破壊された際に出土し、後に官立山口高校歴史教室に寄贈されました。当時、教室には、小川五郎氏ら山高郷土史研究会の会員が収集した資料の他、教室の嘱託であった弘津史文氏(平生町出身の考古学者)が寄贈した千数百点の資料が収蔵されていました。昭和11(1936)年に火災にあい、多くの考古資料が焼失しましたが、2点は幸運にも焼け残ったのです。  左の1点(馬具の飾り金具)は昭和18(1943)年、古墳跡地から新たに出土し、後に県立山口博物館に寄贈されました。

 これら3点は、標題の展示により当館にて古墳の破壊後、百年余りの時を経て再会(同時展示)します。会期は6月20日まで。

山口県立山口博物館 学芸員 荒巻 直大

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