「オール沖縄」疑問視 宮崎、菅氏「同調の空気感」 知事「県民は一つへ思い」

 【東京】宮崎政久衆院議員(自民)と菅義偉官房長官が26日午前の衆院内閣委員会で、翁長雄志知事と共に米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に反対する枠組みを「オール沖縄」と表現していることについて疑問視する発言をした。両氏とも普天間飛行場負担軽減推進会議についての言及の際に発言した。 宮崎氏は委員会で、1月の宜野湾市長選で翁長知事が支援する候補に対して現職の佐喜真淳氏が勝利したことを挙げ「新しい民意が示された」と強調した。

 さらに選挙以前について「知事とオール沖縄に反対する言説は特に一般市民の中ではばかられた。同調しないといけないような空気感があった」と主張した。

 「オール沖縄」の表現については「これに反対するのは県民にあらずというような意識を浸透させている」と指摘し「宜野湾市民の生命や安全、生活に密着した政策を実現するのは『オール沖縄』勢力ではないんだ。オールと言われても反対していいんだ。私たちは普天間の固定化回避が一番大事だ」と述べ、辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」陣営との違いを明示した。

 菅氏も「私も常日頃、『オール沖縄』は現実と比べて極めて乖離(かいり)していると言ってきた」と同調し、県内11市のうち9市長が参加していないのは「オール沖縄ではない」というこれまでの主張を繰り返した。>知事、今後も用いる考え 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に反対する枠組みを「オール沖縄」と表現することについて、翁長雄志知事は26日、「『オール沖縄ができている』ではなく『オール沖縄にしたい』という思いが込められている」と述べ、今後も用いていく考えを示した。県議会2月定例会で嶺井光氏(無所属)の質問に答えた。

 嶺井氏は「今は県民の心は一つではない。オール沖縄はしばらく封印した方がいいのではないか」と質問した。

 翁長知事は答弁に立ち、「オール沖縄は(普天間飛行場の県外移設などを求めた)東京要請行動のときに形になったが、その後、分かれていっている」と現状について認識を示した。

 その上で「自由民主という言葉も、そういう国をつくりたいという意味があるかと思う。一緒になったら『オール沖縄』、そうでない場合に使ってはいけないということではない」と述べ、「沖縄の良さや弱さも含めて県民が一つになってやれるものをつくっていければいいという思いで使っている」と答えた。

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