海洋プラごみ「身近な問題」 削減へ啓発動画公開中

動画では、長崎市周辺の海岸で拾うごみの8割が、国内から出た生活ごみだと紹介。瓜生さんは「身近な問題だと気付いてほしい」と訴える=同市馬町、市民活動センター

 長崎市は海洋プラスチックごみの削減に向け、海岸清掃や調査に取り組む若者と連携して啓発動画を作った。同市周辺で回収する漂着ごみの8割が“日本産”であることなどを伝える内容で、企画や編集を担当した瓜生信汰朗さん(21)は「身近な問題だと知ってもらい、街中のごみを拾う行動につながれば」と願う。動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。
 同市が昨年度から3年計画で実施する「海洋プラスチックごみ対策推進事業」の一環。動画は「無関心層や若い世代が関心を持つきっかけに」と、海岸清掃などに取り組む長崎大の学生団体「ながさき海援隊」に制作協力を求めた。
 瓜生さんは3月まで同団体の6代目代表。現在は同大を休学して市民活動センター「ランタナ」職員として働く傍ら、企業や大学から動画制作の依頼も受けている。今回の動画では、清掃活動の様子や市の事業、有識者のコメントなどを紹介。同団体が回収したプラスチックごみなどの80%以上が、国内から排出されたとみられることを示した。
 瓜生さんは「海洋ごみは中国や韓国の問題と思われがちだが、多くは日本産。街中に落ちているごみはいずれ川を通じて海に流れ出すので、海岸に行かなくても目についたごみを拾うことが海を守ることにつながる」と話している。

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