見捨てられた? IOCの“お膝元” スイス政府が東京五輪の「パブリックサイト」中止

他国からの期待も消えつつあるのか…

スイス政府が29日、日本の新型コロナウイルスの感染状況を受けて、今夏の東京五輪で予定していたパブリックサイトの中止を決定した。世界各国のメディアが報じた。

五輪では参加する各国が大会期間中、自国のPRや文化交流などを行うパブリックサイトが設置される。選手団や関係者以外にも公開され、これまでの大会でも各国政府が力を入れる公式な場として注目を集めてきた。

インド大手紙「ヒンドスタンタイムズ」は「スイス政府は東京五輪でのスイスのパブリックサイトの計画を中止することになった。外務省は木曜日の声明で、スイスを海外に売り込む機関が2004年のアテネ五輪でサイトの計画を引き受けて以来、初めて中止することになったと発表した」と報じた。

五輪で各国政府の〝外交〟の場となるパブリックサイトをスイスが先んじて中止した意味は大きい。スイスは国際オリンピック委員会(IOC)の本部がある〝お膝元〟で、五輪にも大きな影響力を持つ国と言える。ツイッターなどインターネット上では「スイスは東京五輪を延期の意向だ」などの声が上がり、新型コロナ禍の深刻化を受けて東京五輪の中止または再延期へ向けて大きな動きになる可能性がある。

日本政府や東京都は世論を無視して開催強行の一点張りだが、いよいよ海外からプレッシャーがかかってきそうだ。

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