傷害致死認める方針 川崎中1殺害18歳少年来月2日初公判

 川崎市立中学1年の男子生徒殺害事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年(18)が、横浜地裁で3月2日に始まる裁判員裁判で、起訴内容を認める方針を示していることが26日、分かった。関係者によると、弁護側は少年の更生には「刑罰ではなく保護処分が相当」として、家裁への移送を求めるといい、関与の度合いなどの情状面の評価が焦点となる。

 少年法は未成年の被告について、審理の結果、少年院送致などの保護処分が相当と認める場合は、判決を言い渡すのではなく、事件を家裁に移送しなければならないと定めている。移送を受けた家裁は再び調査し、処分を決める。

 検察側は、殺人などの罪で懲役9年以上13年以下の不定期刑が確定した主犯格の少年(19)の量刑も考慮しつつ懲役刑を求めるとみられ、裁判員らは少年に刑罰か少年法が定める「保護」のどちらがふさわしいか、難しい判断を求められそうだ。

 無職少年は主犯格の少年ともう1人の少年(18)=傷害致死罪で起訴、公判前整理手続き中=の1学年下で、殺害された少年=当時(13)=の遊び仲間。川崎市川崎区の多摩川河川敷で昨年2月20日未明、2人とともに殺害された少年の首をカッターナイフで切り付けて死亡させたとして、起訴された。

 少年審判では、主犯格の少年に脅されてやむを得なかったとし、刑の軽減や免除を定めた刑法の「緊急避難」を主張。刑事裁判の無罪に当たる「不処分」を求めていたが、家裁は検察官送致(逆送)が相当と判断していた。弁護側は家裁の逆送決定を受け、裁判員裁判では犯罪の成立は争わず、情状面で少年の立場や役割を主張するという。

 公判は3月2日に始まり、7日に結審する予定。判決日は決まっていない。

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