防大でいじめ、12人処分

 防衛大学校(横須賀市走水)の上級生からいじめを受けたとして男子学生=当時(20)=が傷害と強要容疑で刑事告訴した問題で、防衛大は26日、いじめに関わったとして男子学生12人を懲戒処分などとした。内訳は停学2人、戒告2人、訓戒4人、注意4人。監督責任があったとして当時の指導教官ら10人も訓戒などの処分にした。

 被害学生は2014年8月、上級生ら8人を告訴。体毛に火を付けられる暴行などの被害を受け、ストレス性障害を発症したとした。横浜地検は15年3月、3人を暴行罪で略式起訴、5人を不起訴処分としている。

 告訴後、防大は調査委員会を設けて関係者からの聞き取りを行ってきた。その結果、被害学生が訓練中に上級生に蹴られたり裸にされたりするなど、13〜14年の間に計8件の学生間指導等の規律違反が判明したという。

 防大は学生間指導の在り方を新たに制定するなど再発防止策を策定。同大総務課は「学生らの根本的な意識を変えるための教育を徹底していく」。被害学生の告訴に関わった弁護士は「被害者は自殺の恐れもあるほど追い詰められていた。(防大は)組織としてのいじめ根絶を本気で考えてほしい」と話している。

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