三浦按針とみられる人骨 初公開 平戸オランダ商館

貴重な資料などで三浦按針の足跡と功績をたどる特別企画展=平戸オランダ商館

 平戸ゆかりの英国人、ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針(あんじん))に関する貴重な資料を展示する特別企画展「三浦按針展」が29日、長崎県平戸市大久保町の平戸オランダ商館で始まり、按針の墓とされる墓所(同市大久保町)で2017年に実施した調査で確認された人骨が、初めて一般公開された。6月13日まで。
 同展は1620年5月、55歳だった按針が平戸で死去してから400年の節目を迎えた昨年、開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。同市などでつくる「三浦按針没後400年事業実行委」が主催。
 人骨は同商館2階の最も奥に展示。同市が委託した国内研究機関の鑑定で、骨は後頭部、大腿(だいたい)部の一部など。10年以上日本に滞在した北・西ヨーロッパ人とみられ、放射性炭素年代測定でも按針の死去時期と矛盾しないという。当時の日本で、鑑定などの条件に合う外国人は少なく、按針の骨という可能性があるが、断定には至っていない。
 このほか、国内外の博物館から按針に関する資料(複製を含む)など21点を集めた。また、発掘調査を支援した「ザ・ウィリアム・アダムス・クラブ」が、同市に寄贈したアダムスの肖像画も展示している。
 同実行委の小関彰博委員長は「平戸で活躍した按針の息吹を感じてほしい。コロナ禍の開催。静かに楽しんでほしい」とアピールしている。

平戸で確認され、初めて一般公開された三浦按針のものとみられる人骨=平戸オランダ商館

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