【岸本拓也が街をプロデュース】カレールーの消費量全国1位・鳥取県は家カレーGPをやればいい

お家カレーならではの味がある(写真はイメージ)

日本全国に増え続ける面白い名前のパン屋のプロデューサー・岸本拓也氏が、もし地方の街をプロデュースしたら? 新規開店のために日本を飛び回り、地道な調査を重ねる岸本氏。蓄えた知識を町おこしにいかしてもらおう、という連載です。

【鳥取県鳥取市②】
鳥取といえば、冬はカニ、夏は岩ガキと日本海の幸が有名です。冬場の名物には「モサエビ」もあります。甘エビ以上の甘みがあるものの、劣化が早く、ほとんど地元で消費されているから他地域に出回らない。これらは既に旅行の目的にもなってますね。

前回書いた「街おこしに使えるのに、活用されてない食材」は、こうした海の幸とは全く別の物です。もっと身近な食材、「カレー」です。

総務省の家計調査(2人以上の世帯、2018~20年)によれば、鳥取市はカレールーの平均消費量が、金額も数量も全国1位なんですよ。意外でしょ? そしてもうひとつ、カレー関連で日本一のものがあります。カレーの付け合わせの定番、らっきょうの生産量です。

どうでしょう、カレーで街おこししろ、と言わんばかりですよね。宇都宮や浜松が餃子購入額で1位を争い、街おこしが成功しているように、鳥取市はカレーで街おこしをする資格があり、説得力もあるんです。

また、平均日本一になるほど家でカレーがたくさん食べられているということは、きっと家庭ごとに独自に進化したカレーがあるでしょう。そうしたカレーを掘り起こして名物にしてもいいし、掘り起こす過程で「家カレーグランプリ」をやれば、それもイベントにでき、話題も提供できる。

総務省の統計で「日本一」と認定された、この事実が持つ説得力はハンパではありません。これを使わない手はありません。そしてもうひとつ、街おこしに使えるモノがあるんですよ。(続く)

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