「実は6回できるのに…」看護師が実情明かす 新型コロナワクチンの注射器問題「1回分捨てられている」

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女性が勤める病院に配布されていた5回接種用の注射器(提供写真)

 本来は1瓶当たり6回接種できるファイザー製新型コロナウイルスワクチンが、従来の注射器では5回しかできないとされる問題で、先行接種が進む医療現場から「実は6回できるのに、1回分捨てられている」との声が神戸新聞社に寄せられた。従来の注射器でも1瓶からぎりぎり6回分を採取できることが多いといい、高齢者への接種が始まる中、「一人でも多く接種するため、柔軟な対応を」と訴える。(高田康夫)

 新型コロナ患者を受け入れる兵庫県内の病院に勤務する看護師の女性(56)は3月中旬、職員約500人を対象にした集団接種の責任者を任された。接種を始めると、5回接種用の注射器でも、うまくすれば1瓶につき6回分を採取でき、もっと多くの人に接種できることが分かった。

 だが、この病院では1瓶から6回分が取れたとしても廃棄するように指示された。当時、毎日約20瓶を使って約100回接種していたが、女性は「本来ならさらに15回程度は接種できた」と話す。

 兵庫県によると、5回用の注射器で6回採取している医療機関はあるといい、「ワクチンを無駄にしないようにやってもらっている」との認識を示す。だが、各医療機関には「6回取るように推奨はしていないが、廃棄を指示している訳でもない」とし、対応を現場に任せているという。

 ワクチン接種の注射器をめぐっては、6回分を採取できる注射器が増産され、政府は現在、医療従事者向けには6回採取の注射器を配布している。一方、高齢者向けには今も5回採取の注射器が使われ、政府は5月中旬以降、6回用の注射器を配布するとしている。