ハーラートップ4勝目! 楽天・涌井の快投支える “時代錯誤トレ”

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“エースの仕事”を続ける涌井

楽天・涌井秀章投手(34)が30日のロッテ戦(楽天生命)で5回3安打1失点。8―1の勝利に貢献しハーラートップタイの4勝目を挙げた。

「5回までしか投げられなかったのが反省点。でも、粘り強くしっかり試合を壊さずに投げれた。そこだけですかね、良かったのは」と振り返った涌井だが、ここまでの6試合で負けなしの4連勝、防御率1・51は堂々たるエースの仕事だ。石井監督も「苦労しているなりに、しっかり5回を1失点でまとめて来るあたりさすがだと思うし、助かります」と最敬礼だった。

その涌井のタフネスぶりは、ウエートトレーニング全盛の今の球界でかなり異彩を放っている。

登板日のこの日も、プレーボール3時間前のキャッチボール後に外野で約90メートルのダッシュを繰り返すなど、練習の基本はとにかく走ること。毎年、千葉・館山で行っている自主トレでは球場、山道、ゴルフ場のフェアウエーなどを使って1日1万メートルのランニングメニューを10日間以上、ぶっ通しで行う。

この自主トレを主宰し毎年、涌井や岸らのメニューを考案している大迫幸一氏(67)は「基本的にワクの貪欲さは年を取っても変わらない。走ることは彼の生命線だし、走れなくなった時が引退の時だと思う。走れる今はそれだけ自信があるんですよ。今年の自主トレでも一通りのメニューを終えた後に400メートルの坂道ダッシュを6本と言ったらきっちりやるからね。そこに一切の妥協がない。こっちが妥協しちゃうぐらい」と涌井のストイックさに舌を巻く。

涌井にとって走ることは「野球の練習の基本。走ることでケガを防いで体のバランスを整える」ためのもの。

もちろん、ただ走っているわけではなく、大迫氏が西武のトレーニングコーチ時代には「(約180メートルの)ポール間走を往復56秒以内」という設定で40本走り抜いた伝説もある。

大迫氏は登板前に涌井がダッシュを繰り返す理由について「脈拍を上げて体を起こしていると思う。そうすれば序盤の入りが楽だから」と説明。その上で「今が一番野球が面白くて充実しているんじゃないかな。本当に野球が好きだし、家庭環境も充実しているから」と成熟期を迎えた17年目右腕の活躍に太鼓判を押していた。