聖火リレー 長崎市内公道一部を省略 組織委に申し入れ

 5月7、8日に長崎県内で行われる東京五輪の聖火リレーについて、県実行委員会は4月30日、長崎市内の公道のリレーを一部取りやめ、平和公園での出発式と長崎水辺の森公園到着後のセレブレーションも無観客で実施するよう大会組織委員会に申し入れた。同市以外は予定通りに公道で聖火をつなぐ方針。
 新型コロナウイルス感染拡大を受けての判断。7日に予定されていた長崎市内の全長5.1キロのルートから、国道206号線の松山町交差点-下の川橋交差点と、浦上川高架橋付近-県庁の計6区間1.3キロが省略される。距離が短くなった分、各ランナーの走行距離を短縮して、予定していた全25人が走れるように調整する。
 聖火リレーの公式アンバサダーを務める俳優の石原さとみさんら著名人ランナーは、沿道が過密状態にならないように公道以外の区間に配置する。
 このほか、8日の佐世保市のセレブレーション会場となる新みなと暫定広場も、観客数を予定の千人から500人に削減。立ち見から椅子に座っての観覧に変更する。今後、急速に感染が拡大した場合は、一部変更も含めて再検討する。
 中村法道知事は「五輪は世界の平和と友好を掲げ、国を挙げて開催を目指している一大スポーツイベント。観客が過密になる可能性を避けて聖火リレーを実施することで、平和や国際交流の中で果たしてきた長崎の役割などを全国、世界へ向けて発信していきたい」と話した。


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