マラドーナ氏の死に新たな展開

ディエゴ・マラドーナ氏(ロイター)

昨年11月に急死した元アルゼンチン代表のスーパーであるディエゴ・マラドーナ氏(享年60)は不十分な医療体制で〝見殺し〟にされた可能性が高まった。同氏の死を調査している20人の専門家で構成された医療委員会が結論づけた。

アルゼンチン紙「クラリン」などによると、同委員会は70ページにおよぶ報告書を発表。心臓発作で死亡したマラドーナ氏が「少なくとも(亡くなる)12時間前から死に向かい始めた」とした。さらに「設備の整った医療施設で適切な治療を受けていれば、生存していた可能性は高くなっていた」と指摘した。

同氏は死亡した当時、病院ではなく同国ブエノスアイレス郊外の高級住宅地に家を借り、在宅医療を受けていたが、報告書では「マラドーナ氏は知的能力を十分に活用できる状況にあらず、自身の健康について決定を下せる立場ではなかった」との見解も示した。

その上でマラドーナ氏を治療していた医療チームにも報告書は「自分たちの行為や医療・健康管理計画を修正せず、有害な不作為を維持し、患者の健康状態を〝運任せ〟にしていたことが推察される」。適切な治療を行わず放置していたことによる死である可能性まで言及した。

同氏は死の数週間前に脳の血腫除去手術を受けており、主治医のレオポルド・ルケ氏をはじめ治療に関連して看護師ら7人が捜査対象になっている。

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