日テレ大不評の巨人戦〝エンタメ中継〟 大物阪神OBが辞退していた!

かつてはドル箱のGT戦も視聴率獲得に苦戦している(写真は佐藤輝)

視聴率低迷の起爆剤とはなれないのか――。近年の野球中継は巨人戦といえども視聴率が取れず、巨人の主催試合をほぼ全試合地上波で放送してきた日本テレビがレギュラー放送から単発放送に切り替えて久しいが、視聴率低迷を打破するために始めた新企画が視聴者の不評を買っているという。

4月15日の対中日戦では新企画「配給王サバイバルナイター」をスタート。解説者が4~5人出演して投手が投げる1球1球を予想するというもの。一部で好評な声はあるが、各解説者の表情をワイプで映し出すため肝心の試合映像が選挙特番のように小さくなって、不評の声がSNSなどであふれている。

「視聴率アップを狙った新企画なのに視聴者の不評を買うとは皮肉な結果ですよ」とは日テレ関係者。

「配給王サバイバルナイター」は、日テレが昨年8月にテスト企画として行った各打者の打席結果を予想する「野球脳サバイバルナイター」の進化版だ。かつて「ID野球」を浸透させた故野村克也さんが配球予想を考案して野球解説に革命をもたらした「野村スコープ」のオマージュとも言える。

しかし、あまりにも多くの解説者を起用したことで、野球の試合自体が見づらいという本末転倒な結果になってしまった。

さらに日テレの誤算は続く。「配給王サバイバルナイター」では各解説者の予想を実際の結果から点数化し、5回以降に最下位の解説者から脱落していくお笑い番組さながらのシステムを採用しているのだが、これが解説者たちの自尊心を傷つけるとして問題となっているという。

「先日は理論派を標榜する大物阪神OBが、伝統の巨人阪神戦の解説を辞退したんです。日テレとしては他番組でもお世話になっているだけに、新企画に不満を持っているのではないか、と局内で心配する声が上がっています」(同)

番組では各解説者とは別にAI予想も行っているが、これも「ピンチの場面で初球ど真ん中ストレートみたいな、ちょっと信じられない予想をすることもあり、AIの予想精度の問題も言われている。早急にテコ入れすることも必要だ」(前出)と頭を抱えるばかり。視聴率低迷からの打破を狙った新企画が、とんだ落とし穴になってしまったようだ。

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