3度の救援失敗に苦しむ西武・増田 辻監督は泰然自若「長いシーズンこういうこともある」

増田は不振から脱出できるか

西武の守護神・増田達至投手(33)が開幕から15試合に登板し0勝2敗8セーブ、防御率6・75と苦しんでいる。

1日の日本ハム戦(札幌ドーム)で3点リードの9回に抑えのマウンドに上がった増田は中田に2ランを浴びるなど打者6人に4安打1押し出し四球4失点で今季3度目の救援失敗。開幕から9試合連続無失点だった好投は4月18日ソフトバンク戦(メットライフ=1回1被弾2失点)、同22日オリックス戦(京セラ=2/3、4安打4失点)と合わせ3度のトラブルで2敗、防御率6・75まで悪化した。

それでも辻発彦監督(62)は「(配置転換は)考えていません。(増田は)うちの守護神。それだけ信頼しているわけだからそれで打たれたら仕方ない。長いシーズンこういうこともある。もともと春先はいい方じゃない。だんだん上がってきてくれればいい」と増田に対する揺るぎない信頼を口にした。

辻政権になりチームが初優勝した2018年シーズンでも守護神としてシーズンをスタートした増田は5月に2度、6月の交流戦で2度救援に失敗して敗戦投手となり中継ぎへ配置転換。7月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)で5点リードの9回に登板し立て続けの3連打で一死も取れずに2失点降板し、約1か月半の二軍降格を経験している。

その後の2年間で増田は計113試合で9勝1敗63セーブ、防御率1・88と立ち直り、昨年は5勝33セーブでシーズン無敗のセーブ王に輝いた実績を見れば、過去の経験から現在のトラブル状態から脱出するための方法論を持っていないわけではない。

開幕から15試合連続無失点とリリーフ投手としての階段を一気に駆け上がる4年目の平良、安定感のあるギャレットと配置転換することは簡単な選択肢だが、長いシーズンを見据えて正念場となってくる夏場から後半戦に向け増田の復調がなければチームにとってV奪回はありえない。

とにかく今の不振から増田が持っている引き出しを駆使して脱出する手がかりをつかんでくれること。辻監督の思いはそこにあるようだ。

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