【東日本大震災10年】川崎の空泳ぐ、感謝のこいのぼり 気仙沼出身の女性ら企画

気仙沼からの感謝の思いを込めて泳ぐこいのぼり=3日午後、川崎市中原区

 東日本大震災の被災地から元気を届けるこいのぼりが、武蔵小杉駅(川崎市中原区)近くの商業施設グランツリー武蔵小杉で風に揺れている。震災から10年で全国から集まった支援への感謝を伝えようと、同区に住む斉藤雅枝さん(54)ら宮城県気仙沼市の市立気仙沼中学校卒業生らが企画。「災害への備えの必要性と少しでも明るい気持ちを届けたい」との思いも込めた。5日まで。

 川崎の青空を泳ぐのは、85匹の「気仙沼からありがとうのぼり」。全国から寄せられた支援を「気仙沼メッセージ鯉のぼり」に託し、古里で掲げ続けてきた恩返しだ。

 斉藤さんらは震災直後から、気仙沼市民を励ますメッセージや絵を全国から募り、こいのぼり1匹につき千円~4千円程度の支援金を集めてきた。こいのぼりは気仙沼で掲げるとともに、制作費などを除いた額を寄付。10年間で約3200匹の賛同を得て、総額約420万円を高校生の学習支援に充ててきたという。

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