打撃内容が“大幅改善” 驚弾連発の佐藤輝明、データが裏付ける開幕1か月の進化

阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】

8本塁打はリーグ3位、24打点はリーグ2位につける佐藤輝明

2日に行われた広島戦でプロ初となる満塁本塁打を放った阪神のドラフト1位ルーキー佐藤輝明内野手。初めて「4番・三塁」で起用されると、2点ビハインドで迎えた5回無死満塁で右翼スタンドに弾丸ライナーで8号グランドスラムを突き刺して衝撃を与えた。

ゴールデンルーキーとして開幕からスタメンに座る佐藤輝。ここまで30試合に出場して111打数28安打8本塁打24打点、打率.252の成績を残す。8本塁打はヤクルトの村上宗隆、山田哲人(ともに10本)に次ぐリーグ3位。打点も巨人の岡本和真(25打点)に次ぐリーグ2位と、どちらもタイトルを争えるだけの位置につけている。

開幕当初は本塁打こそ出るものの、三振が多く、アベレージという面では苦戦を強いられていた佐藤輝だが、開幕から1か月半ほどが経過し、徐々にプロの投手に対しての適応が進んでいる。開幕後は1割台から2割そこそこで推移していた打率も、4月下旬から上昇し、現在では.252まで上昇。三振の数も見て分かる通りに減少していっている。

実は佐藤輝の打撃内容、セイバーメトリクスの指標を分析してみると、開幕から1か月ほどが経過したあたりから、打撃内容が大幅に良化していることが良く分かる数字がある。セイバーメトリクスの指標などを用いてデータ分析などを行う株式会社DELTAの指標を用いて見てみよう。

開幕後1か月で大きな変化を見せる「Z-contact%」と「O-Swing%」

その1つがストライクゾーン内のボールに対して、バットをコンタクトさせる割合を示す「Z-Contact%」だ。直近10試合あたりのこの割合が、開幕後は60%前後で推移を続けていたが、4月後半からこの数字が右肩上がりで上昇していっている。

4月25日には直近10試合あたりの「Z-contact%」が70%を超え、5月2日の広島戦を終えた段階では、それが80.4%にまで上がっている。プロのボールへの適応が進み、ストライクゾーンのボールに空振りする確率が大きく減っているのだ。

また、ボール球に手を出す「O-Swing%」も大幅に良化していっている。こちらは開幕後、40%から50%の間で推移していたが、4月下旬から徐々にパーセンテージが低下。2日の広島戦が終わった段階で、直近10試合あたりの「O-Swing%」は33.9%となっている。

開幕当初はゾーン内で空振りしたり、ボール球に手を出してバットが空を斬ることも多かった佐藤輝だが、開幕から1か月が経つ頃から、徐々に適応が進んできているのだろう。新人離れしたパワーに加え、ボールの見極めが進んできていることから、今後はこれまで以上の活躍さえも期待できそうだ。(Full-Count編集部)

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