高校野球「清原監督で甲子園出場」が球界全体の起爆剤に!

薬物依存症の理解を深める啓発イベントに出席した清原氏(2021年3月)

【赤坂英一 赤ペン!!】最近、清原和博氏がSNSで積極的に情報発信をしている。ユーチューブ〈清ちゃんスポーツ〉のチャンネル登録者数は38万人以上、ツイッターのフォロワーも21万人超と増加中だ。

〈清スポ〉では清原氏が打撃指導する企画で小学生を募集。約1時間半にわたり、マンツーマンで教える動画の再生回数が150万回に達した。

現役時代のイメージとは裏腹に「子供は怒鳴ったり、強制したりしてはいけない」と優しく丁寧に指導。また「動画を見た同級生に学校で何か言われたら、番長に言うぞ、と言うてやれ。俺がすぐに来てやる」と子供に話しかけて笑わせた。

一方、ツイッターでは定期的に薬物治療の内容について報告。「毎日、薬物、鬱病、アルコールとの戦い!本当に苦しい…でも負けへんで!!」と心境をつづっている。

2016年に覚醒剤取締法違反で懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決を受けてから、はや5年。地道にイメージ回復に努めている清原氏は、指導者として球界に復帰できるか。できるとすれば「清原監督」が実現する可能性はあるのか。

清原氏の先輩にあたる某球団OBはこう言う。

「独立リーグなら清原に声をかける球団はあると思う。ただ、私も監督に誘われたことがあるんだが、独立リーグの監督は報酬が安い割に拘束時間が長い。監督をしながらマスコミの仕事もこなすのは結構大変だよ。清原監督の実現性は、条件面で球団と折り合いがつくかどうかによるだろう」

NPBへの復帰となるとさらに難しい。やはり覚醒剤取締法違反で服役した江夏豊氏の場合、1995年の仮釈放から15年に阪神キャンプの臨時投手コーチに招聘されるまで20年もかかっていた。

しかし、まだ可能性は残されている。高校野球の監督であれば、制度上は不可能ではないのだ。

清原氏は昨年と今年、学生野球資格回復制度のオンライン研修を受講。小テストとリポートでも合格して、高校生を指導できる資格を回復した。

日本学生野球協会が定めたガイドラインでは「執行猶予後5年を経過していない」者を指導者として不適格と規定。逆に言うと、5年たったら、“適格”な範ちゅうに入る、ということでもある。

清原氏の場合、昨年6月に執行猶予が明けた。それから5年後の25年6月以降なら、あくまでも制度上だが、高校野球界で「清原監督」が誕生する可能性が出てくる。

そのころの高校球界がどうなっているかは誰にもわからないし、世間の批判や反発も十分に予想される。が、野球人口が減少している折「清原監督」が甲子園に出れば、球界全体にとって大きな起爆剤になるだろう。

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