2021年Jリーグ!「スプリント回数」が大きく変化した5つのJ1クラブ

ゴールデンウィークも熱戦が続く明治安田生命Jリーグ。

全国各地で「ライバルウィーク」の対戦を中心に盛り上がりを見せるなか、4日には川崎フロンターレvs名古屋グランパスのリターンマッチが開催される。

そんなJ1において、今シーズンもトラッキングデータに着目!

今回は2020シーズンと2021シーズンを比較し、「スプリント回数」が大きく変化した5つのチームを紹介したい。

なお、まだ春先のため今季のデータ(※2021年5月3日時点)ではほとんどのチームのスプリント回数が増えているが、全チーム同条件のためデータの補正はせず算出した。

5位 柏レイソル

163(2020)→190(2021)
+27

ネルシーニョ体制3年目の柏は開幕から苦戦を強いられている。

昨季MVPのオルンガがチームを去った影響はやはり大きく、開幕12試合で12得点。それも11節の徳島ヴォルティス戦、5-1勝利があっての数字だ。

一人で完結できる選手がいなくなった分、今季は縦につけて追い越す意識がチームとして高まっている。一方で、質がそこに追いついていない現状もある。

コロナの影響で合流が遅れていた外国人選手がようやく試合に出場し始めており、彼らの特長を生かしながら全体の質を高めていきたい。

4位 川崎フロンターレ

157(2020)→187(2021)
+30

昨季、圧倒的な強さで2冠を達成した川崎。

それでも鬼木達監督はシーズン後、過密日程の中でチーム戦術を突き詰めることができなかったと吐露しており、それが事実であったことを開幕から2か月弱で早くも証明している。

自慢のハイプレスは「即時奪回」のスピードと強度がさらに増し、昨季15位だったスプリント回数は6位まで上昇した。

相手の形を見ながらどこに奪いどころを設定するかの共通意識も向上。技術とハードワークを高次元で兼ね備えた王者の快進撃が今季も続いている。

3位 横浜F・マリノス

184(2020)→225(2021)
+41

アンジェ・ポステコグルー体制4年目。

0-2で敗れた川崎フロンターレとの開幕戦以降は無敗と安定した戦いぶりを見せており、その中心にいる一人が前田大然だ。

2節からスタメンに定着した23歳のストライカーは、超人的なスピードでチームを攻守にけん引。スプリント回数の選手試合別ランキングではトップ5のうち4つにその名を刻んでいる。

第8節のセレッソ大阪戦では、スプリント62回(!)という驚異的な記録を樹立。得点もここまで8ゴールとキャリア最高のシーズンを過ごしている。

2位 ヴィッセル神戸

168(2020)→211(2021)
+43

そんな前田に唯一対抗できそうなのが神戸の古橋亨梧だ。

11節の鹿島アントラーズ戦において、自己最多&J歴代2位タイのスプリント53回を記録。選手試合別ランキングで前田の上位独占を阻止している。

2年目の三浦淳寛監督率いる今季の神戸は4-4-2のフォーメーションがベース。古橋は2トップの軸となっているため、自らのタイミングで勝負できる機会が増えている。

得点数もリーグ最多タイの9ゴールと絶好調。今週末、9日に行われる横浜F・マリノスとの一戦は、古橋と前田のスプリント対決という点でも非常に楽しみである。

1位 セレッソ大阪

128(2020)→174(2021)
+46

ロティーナ体制ではスプリント回数の少なさが話題となったセレッソ大阪。

昨季の128回は一つ上の名古屋グランパスと横浜FCに比べて26回も少ない、ダントツの最下位であった。

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今季、クルピ体制に移行したことで「まずはブロック」という守備の意識は薄まり、チームのスプリント回数も12位まで上昇。

13試合で14失点と守備の堅さもある程度維持しており、あとはクルピ監督のもとで良質な攻撃スタイルを構築していきたい。

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