尾崎豊さんが愛したキラー・カーンの店閉店…まさかの「ホームレス」宣言

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閉店の理由を本紙に明かしたキラー・カーンさん

元プロレスラーのキラー・カーンこと小沢正志さん(74)が経営する、東京・新宿区百人町の「居酒屋カンちゃん」が5月22日に閉店することになった。プロレスラー引退後、「スナック カンちゃん」に始まり、場所を変えながらも飲食店を経営。歌手の故尾崎豊さんも常連客として名を連ねた名店だけに閉店を惜しむ声も多い。新型コロナウイルスの影響かと思いきや、真っすぐな性格のカーンさんらしい理由があった。

尾崎豊さんが愛したカレーライス、みそ味のカンちゃん鍋など、絶品料理でプロレスファン以外にも多くの客が通う人気店だ。緊急事態宣言が発令されている現在は酒類の提供はせず、午後8時までの時短営業を行っている。

コロナの影響については「それはうちだけじゃない。苦しいのはみんな一緒だから」と経済的な理由を否定。最初こそ「しゃべりたくないよ」と拒否していたカーンさんだが、少しずつ重い口を開いた。

「この街がいやになったんだよ」――。約6年前に現在の店舗に移転。店内の改装費にも数百万円も費やした。JR新大久保駅近くのコリアンタウンにあり、周りは韓国料理店が軒を連ねるが、「居酒屋カンちゃん」は日本料理店。ただ店名のせいもあり、韓国料理店と勘違いし、入店するお客さんも多いようだ。

「この前も女の子3人が入ってきて『チヂミありますか』って言うから『ありません』って言ったら出ていった。こっちはおしぼりも出してるのに。おしぼりだってタダじゃない。この街に韓国料理を食べに来てるんだから、日本料理でやっていくのは大変」

ほかにもトイレ目的の客や店の前にゴミを放置されることが日常的にあり「毎回毎回、掃除するのにも疲れたよ」と呆れた表情を浮かべる。

カーンさんといえば昨年10月、不祥事を起こしてしまった。店舗近くを自転車で走行中に20代女性をはねて負傷させ、そのまま走り去り、重過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで書類送検された。多くを語らなかったが「それもあるね」と追い撃ちをかけたようだ。

「プロレスもそうだけどイヤと思ったら、俺はスパっと辞めるから。ハルク・ホーガンとかみんな止めてくれたけどスパっとね。この街を好きになろうとして頑張ったけど、好きになれなかった。それでいいじゃないですか」とサバサバとした表情で話した。今後については「ホームレス」とニヤリ。「お金がないからね。何かやるときは報告しますよ」

閉店を惜しむ声は多い。この日もカーンさんの味を求めて常連客が「閉店までは、来れるだけ来ようと思う」と席を埋めた。訪れた客の多くが注文するのが、尾崎さんが愛したカレーライスだ。記者も注文。どこか懐かしさを感じる味は、また食べたくなる不思議な魅力を持っている。このカレーライスが食べれなくなるのは、確かに惜しい。

常連客は「尾崎豊にカラオケを歌わせて、『演歌はヘタだった』って笑ってました」とカーンさんらしい豪快エピソードを明かしてくれた。

最初こそ口の重かったカーンさんだが、徐々に軽口も叩きはじめ、「東スポは年末にやってるでしょ、アレ(プロレス大賞)。なんで俺に賞をくれないのかねぇ(笑い)。アメリカでの実績は関係ないの? 前座でやってたやつらはもらってるのに。不思議なんだよなぁ」と不満が本紙に飛び火。ほかにも「世紀の一戦」と呼ばれたアントニオ猪木とモハメド・アリの異種格闘技戦の裏話などでお客を楽しませ「なんでも教えてあげますよ」と人懐っこい笑顔を見せた。

最近のプロレスについては「見てない。オーカーン? 知らない」とグレート―O―カーンの存在は知らないとのこと。オーカーンは閉店前にあいさつに行くべき!?