「4番を打ってもいい」中日・根尾が大物OBをも魅了するワケ

OBをメロメロにする根尾

愛されるのは理由があるようだ。中日・根尾昂内野手(21)がファンばかりでなく“プロ”のハートをもわしづかみにしている。

打率1割8分2厘と苦戦しているが、3年目の今季は開幕からコンスタントにスタメン出場し、4日のDeNA戦(バンテリン)でプロ1号となる満塁本塁打も放った。その直後にはヤフーのリアルタイム検索で「根尾昂」がトレンド入り。ツイッター上では「根尾くん」「グランドスラム」「プロ初本塁打」などの関連ワードが次々とトレンド入りして話題となった。

その4日の試合後は本拠地3度目となるお立ち台で両親に感謝。「母の日(9日)が近いのでプレゼントを渡したのですが、今こうやって本塁打を打てたのは両親が生んでくれたおかげなので、両親にありがとうと伝えたい」と訴えた。

このヒーローインタビューがファンたちの間で大反響を呼び、SNS上では「現地にいて大変感動した」「人徳がにじみ出ている」「礼儀正しい人格者は自然と応援したくなる」「100点満点すぎてなんか涙が出てきた」などの投稿が相次いだ。

感激したのはファンばかりでもないようだ。中日OBたちも声を上げて根尾を応援している。昨季限りで現役を引退した吉見一起氏が自身のツイッターで「根尾―グランドスラム!ナイス! 昨年、オフの時も打ち込む姿を見ていたからうれしいよ。と自分のことのようにうれしく思う吉見一起です」と投稿。5日のDeNA戦前には山崎武司氏が自身のツイッターに「生で根尾のホームラン見たい!」と書き込んだ。低打率ながらチーム2位タイの11打点を挙げる勝負強さから「恐怖の8番」とも称される根尾を巡っては理論派で知られる権藤博氏までが野球中継の中で「4番を打ってもいい」とエールを送った。

チーム関係者は「OBがアドバイスや評論ではなく、純粋に選手を応援するのは珍しいこと。それだけ根尾の言動に魅力があって、つい応援したくなる存在ということでしょう」と言う。

根尾が本拠地バンテリンドームで打点を挙げた試合は今季5戦全勝と神懸かり的な働きも見せている。「持ってる男」の本領発揮はこれからだ。

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