「幕府の記録」から「温泉場の宣伝」へ 「絵図」で知る江戸時代の箱根、企画展

江戸時代の箱根が描かれた絵図を展示している企画展=箱根町立郷土資料館

 温泉地・箱根の歴史を学んでもらおうと、箱根町立郷土資料館(同町湯本)で、企画展「絵図から読み解く江戸時代の箱根」が開かれている。5月16日まで。

 同館によると、明治時代以前に作成された地図は統一的な測量や図式に基づかず、絵画的要素を持つことから「絵図」と呼ばれている。企画展では、湯本や宮ノ下、芦ノ湖周辺などの温泉場を中心に描いた絵図などの資料約40点を展示している。

 江戸時代初期には幕府や藩によって記録や集落の境界を定めるために作成された絵図が、中期から後期にかけ旅行が広まるにつれ、宣伝や旅の土産用に描かれるようになったことも紹介している。

 同館の鈴木康弘館長は、江戸からの近さや東海道沿いというアクセスの良さが箱根の発展につながったことが読み取れるといい、「現在の人気を形づくった、江戸時代の箱根に思いを巡らせてみて」と来館を呼び掛けている。

 高校生以上300円、小中学生は150円。午前9時から午後4時半まで、水曜休館。問い合わせは、町生涯学習課電話0460(85)7601。

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