徳川幕府の宝島へ!新潟・佐渡島の1泊2日モデルコース

徳川幕府の宝島・佐渡島

日本の映画やアニメが好きな方は、「将軍」をご存じですよね!

将軍とは、日本を統治していた侍たちの大将。鎌倉時代 (1185~1333年)から江戸時代 (1603~1868年)にわたり、複数の家系が将軍の座についてきました。

中でも、もっとも有名なのは徳川家。江戸時代に200年以上、権威を保ち、武士の時代の終焉を見届けました。

今回は、この徳川幕府を長年支え続けてきた宝の島、新潟県の佐渡島(さどがしま)を紹介します。

1日目 7:10 上野駅を出発

まずは東京から新潟へ向かいましょう。

筆者は今回、JR上野駅7:10発の新幹線に乗りました。JR東京駅からの場合は7:04発になるので、もう少し早く駅に行きましょう。

料金はJR上野駅からは10,020円、JR東京駅からは10,230円です。JR新潟駅までは2時間弱で到着します。

別の時間帯に行きたい場合は、時刻表のチェックを。

9:02 新潟に到着!

JR新潟駅からは、バスと船を乗り継いで、佐渡島まで行きます。

新幹線のホームに降りたら、万代口(ばんだいぐち)に向かってください。新幹線を降りたら、案内看板に従って歩きましょう。

駅を出た左側に向かって観光案内センターがあり、その先にバスターミナルがあります。「佐渡汽船ターミナル行」と書かれた3番バス乗り場に行きましょう。

バスは9:10出発、料金は210円、目的地の佐渡汽船ターミナルまで15分ほどです。

もっとゆったりしたい人は、新潟駅周辺で前泊がオススメです。

9:40 ジェットフォイルで佐渡島へ

バスを降りたら、エスカレーターで3Fに向かいましょう。

佐渡島まではカーフェリーとジェットフォイルが運行しています。今回、筆者は最速で行けるジェットフォイルに乗りました。料金は往復11,700円です(2021年1月時点。時期によって変わる場合あり)。

窓口でも買えますが、公式HPから予約をしておくと券売機ですぐに乗船券を受け取れます。公式HPには日本語以外でも英語、中国語、韓国語などの案内もあります。連休などは席が込み合うので、事前予約がオススメ。運航ダイヤや運賃は、公式HPで最新の情報を確認してください

船の1Fには大きな荷物置き場があり、2Fにも座席があります。ジェットフォイルは高速で航行するので、席に着いたらシートベルトを締めましょう。

ジェットフォイルに乗ると、1時間ほどで船は佐渡島の両津港に着きます。

10:47 佐渡島に眠る徳川幕府の財宝へ

船を降りると、爽やかな風が吹き抜けていきます!

佐渡島を観光するにはバスも使えますが、本数が多くありません。レンタカーを借りるのがもっとも快適でしょう。

両津港の周りには、多くのレンタカーショップがあります。オンラインで事前予約しておくと便利ですね。

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11:30 「長三郎鮨」の人気メニューをいただく

まずは「長三郎鮨(ちょうざぶろうずし)」で腹ごしらえ! 港から車で約15分で行ける、地元民からも観光客からも愛される寿司店です。駐車場は店の隣の路地にありますよ。

新潟県は海産で有名な地域。もちろん、同店の寿司もおいしく新鮮です。もっとも、筆者は寿司だけを食べに来たわけではありません!

佐渡島の人気ご当地メニューといえば、ブリカツをご飯に乗せた「ブリカツ丼 」。

佐渡の海で獲れた天然のブリに衣をつけて揚げ、ご飯に乗せて特製の甘辛ダレをかけたものです。味噌汁、海藻の小鉢、デザートの果物セットで税込1,350円です。

このほかにも、ラーメンやカレー、定食などたくさんのメニューがあります。刺身が苦手でも、ここなら気軽に楽しめますね。

12:30 大佐渡スカイラインの絶景を望む

「長三郎鮨」から10分ほど車で走ると、「大佐渡スカイライン」という山道のドライブコースに入ります。

道路の最高地点は標高900メートル。海に囲まれた、佐渡島の自然豊かな景色を一望できます。もし秋に訪れたら、紅葉により山が赤やオレンジに染まっていますよ。

途中の「交流センター 白雲台」には展望台や売店があります。車を止め、美しい景観の中で清らかな空気を思いっきり吸い込みましょう。

ここでは島名産の果物から作るジャムやキャンディ、魚の加工品、魚をつかったインスタント味噌汁、島の地酒など、たくさんの特産品が買えます。飲み物やソフトクリームも売っているほか、食事もできます。

島の牧場の生乳で作られたソフトクリームは税込350円。芳醇な香りと濃厚な味わいがたまりません!

14:00 徳川幕府の宝を巡ろう!

次は、日本史上でもっとも長い歴史を築いた徳川幕府の秘密をのぞきに行きましょう!

佐渡島は古くから銀山がありましたが、徳川幕府が佐渡島を領地とした時代、特に繁栄します。相川金銀山では、1596年に金銀の鉱脈が発見され、日本最大級の金銀山のひとつとして開山したためです。

佐渡金銀山の役割は、金を掘り出し、金の硬貨(小判)を製造して徳川幕府へ送ることでした。幕府の財政が安定したことにより、日本は長きに渡る平和を手に入れたと言われています。

徳川幕府は1868年に終焉を迎えましたが、その後も佐渡金銀山は1989年まで金の採掘が続けられました。

佐渡金銀山ゆかりの地は現在、観光施設や、日本史を学べる資料館に生まれ変わっています。

実際、佐渡金銀山の跡地の多くは国の重要文化財や史跡に指定されているほか、現在は世界遺産の暫定リストに記載されています。

きらりうむ佐渡

佐渡金銀山の成り立ち、金の採掘から小判製造、港への運搬までのプロセスを、映像を通して楽しくわかりやすく学べるのが「きらりうむ佐渡」。

ビデオと解説には英語字幕もついています。観覧料は300円。

佐渡金山

佐渡金山では、当時の採掘の様子を見学できます。展示では音響や証明、ロボットを使って、当時の金山での人々の働き方が分かるようになっています。

金山の内部には、2つの坑道があります。

ひとつは江戸時代の金山の様子を再現した宗太夫坑。たくさんの人形と英語の解説が展示されており、訪日観光客も金の採掘方法や生活、坑内の労働体系、当時のライフスタイルが理解できます。

金山周辺の断面図や、将軍に献上した小判のレプリカと本物の小判も展示されています。

12.5キログラムの本物の金塊を片手で持ち上げられてケースの穴から抜き出せるかを試せる楽しいアトラクションも。もし成功したら、シリアルナンバー入り金箔カードがもらえます。2020年9月現在の成功者は、2,588人のみだとか。

もうひとつが、明治時代(1868〜1912年)の金山を再現した道遊坑。

この時代、日本は海外から多くの設備を取り入れ採掘技術を発達させました。道遊坑にもトロッコ用レールがあるなど、宗太夫坑と雰囲気が異なります。

坑道の出口を抜けると、採掘機械が展示されています。さらに、採掘によって割れ目ができた山「道遊の割戸」を背景に写真が撮れる広場が見えます。割れ目の前まで行けますので、時間があれば記念撮影がてら行ってみてくださいね。

売店にはお菓子や小物類やお守りなどいろいろなグッズがあります。

どれも金色だったり、金箔が中に入っていたりと金にまつわるものばかり。店が黄金色に輝いて見えるほどです。

金山内部の見学料は、坑道ひとつあたり税込900円。お得な2坑道周遊コースチケットなら税込1,400円です。

北沢浮遊選鉱場

北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)は、緑に覆われた大きな建物の残骸です。

しかしその神秘的な美しさから、ペルーの世界遺産マチュピチュ、またはスタジオジブリの映画から飛び出してきたようだと言われています。

安全のため中に立ち入ることはできませんが、眺めるのは無料です。美しくかつミステリアスで、個性的な写真を撮りたければ、ここがオススメ。

車で回る場合、佐渡金山、北沢浮遊選鉱場、きらりうむ佐渡の順に回るのが一番楽です。ただ、もし学べる内容に沿って回りたければ、きらりうむ佐渡、佐渡金山、北沢浮遊選鉱場の順が良いでしょう。

絶景と宿のチェックイン

3スポットを巡ったら、海沿いをドライブしながら岬まで行きましょう 。佐渡金山のある島の西側から、海沿いの岬や砂浜に出れば、夕陽の絶景が楽しめます。

日没時間をチェックして、先に夕日を見るか、ホテルにチェックインするかを決めてくださいね。

国際佐渡観光ホテル 八幡館

今回の宿はちょっと贅沢なホテルです。

「国際佐渡観光ホテル 八幡館」は、かつて天皇陛下や皇族の方々がお泊りになった場所。1泊当たり21,000円程度(時期や部屋で変動あり)で極上のおもてなしを受けられます。

部屋は広い和室で、トイレと風呂がついています。日本の温泉に浸かってみたい方には、大浴場と和風情緒たっぷりの露天風呂もオススメ。そのほか、1Fにはみやげ店もあります。

夕食は大宴会場で。チェックイン時に食事時間の希望を伝えておきましょう。

料理は佐渡島産のおいしい食材が使われた和食セットで、刺身や蟹、魚、貝などの海鮮料理からデザートまで盛りだくさん。

この日は地元の酒蔵で造られた日本酒5種も飲み比べしました。

19:50 ウミホタル鑑賞へ

今回は夏の終わりの特別イベント、ウミホタル 鑑賞ツアーに参加しました (取材は9月中旬)。

このイベントの予約は、「佐渡で発見!エンジョイプラン」公式HPから。日本語英語がありますが、日本語HPならたくさんのプランから選べます。

ホテルから5分ほどの距離にある集合場所に車を走らせると、スタッフが待っていました。

イベントでは、スタッフがウミホタルについてレクチャーして、実物を見せてくれます。実物は不思議な青色に発光する体長3ミリほどの小さな海洋生物で、日本国内ではなかなかお目にかかれません。

解説を聞いた後、スタッフがあらかじめ採集したウミホタルを間近で見せてくれました。まるで夜空の星座が目の前に広がるよう。

最後は、ウミホタルたちを海に帰してあげました。

2日目7:30 朝食後にチェックアウト

翌朝はちょっと早起きして、和食の朝食へ。ほかほかのご飯に、玉子焼き、焼き魚、煮物、漬物、煮野菜、味噌汁、果物などたくさんのおかずが付いています。

食事を終えたらホテルをチェックアウトして、佐渡島の金の歴史と文化に触れに行きましょう!

9:00 日本人に変身して相川京町 を散策

まずは伝統的な家屋が残る相川京町エリアに行ってみましょう。

筆者は今回、前述の「佐渡で発見!エンジョイプラン」で着物の着付けを予約しました。「相川町ふれあい集会所」に行くと先生が着付けをしてくれて、筆者も大和撫子に早変わりです!

着付けが終わったら、周辺を散策したり写真を撮ったりできますよ。

武士の職場、佐渡奉行所跡を見学

「相川町ふれあい集会所」から歩いて5分足らずのところに「佐渡奉行所跡」があります。

ここは江戸幕府直属の上級武士が、佐渡島の金銀山の管理と小判の鋳造をしていた役所。建物は江戸時代最後に建っていたものを2001年に復元した施設となり、現在は入館料500円で見学できます。

手前の建物では、会議を行う広間や罪人に判決を言い渡す御白洲(御裁許所 おさいきょしょ)などを見学できます。

別棟「寄勝場(よせせりば)」では、金銀の製錬が行われていました。現在は製錬に使われた道具が再現され、展示されています。

散策を終えたら着物を返却しましょう。佐渡にもう1泊したい人は、返却は午後でも大丈夫。

11:30 「しまふうみ」で海を眺めながらランチ

次の目的地に向かう前に、この島の人気店にランチを食べに行きましょう!

「しまふうみ」は、海に近い高台に建っているので、海や空がよく見えます。店には景色や心地よい風を楽しめるオープンテラスもあります。

パン類は480円から、カレーは900円からいただけます。お腹も満たしてくれるし、しかもこの絶景です。写真に収めるのもお忘れなく。

12:30 「佐渡西三川ゴールドパーク」で砂金を採る!

10分ほど車を走らせ、次は「佐渡西三川ゴールドパーク」に到着しました。

今回は金に関して学ぶだけでなく、採金体験も楽しめますよ!

「佐渡西三川ゴールドパーク」は小規模な資料館で、金や日本国内外の金山に関する知識を学べます。館内ショップもやっぱり金のグッズでいっぱいです。金箔入りのキャンディーやチーズケーキなどは、ここでしか買えません。

しかし、ここで絶対に外せないのは、なんといっても採った金をもらって帰れる「砂金採り体験」です! 体験料金を含めた入館料は1,000 円です。

金の採集は、山から掘り出すだけではありません。金脈から砂利や砂に混じって川に流れ出した細かい金の粒を見つける方法もあるのです。

筆者は、小さな砂金を探すために、砂をすくって水の中でふるいにかける、砂金採り専用の道具を使わせてもらいました。やり方はスタッフから教えてもらえます。

砂金はふるって見つけた分だけ持ち帰れます!! 30分の制限時間内でふるいにかけるのは何回でもトライできますよ。

砂金は、水と一緒にプラスチックケースに入れて持ち帰れます。きれいな状態で保管したいなら、プラス1,500円でキーホルダーやペンダントに加工してもらえますよ。

13:30 昔ながらの暮らしに触れる

次は島を南下して、江戸幕府に小判を献上して佐渡島が栄えていた頃から続く集落、宿根木(しゅくねぎ)地区に向かいましょう。

それから、たらいの形している「たらい舟」にも乗ります。「たらい舟」は、佐渡の人々の特徴的な船です。

船大工の里「宿根木」を訪ねる

宿根木地区の見どころは、密接して立ち並ぶ民家。見学用に公開されている「三角家」から、狭い土地を最大限に有効活用する様子が見受けられます。

家は四角い形をしているのが常識ですが、「三角家」は三叉路に建てられているので、道の形に合わせて家の形をとがらせているのです。

宿根木は、中世の頃より廻船業を営む者が居住しました。宿根木浦は、佐渡の富の3分の1が集まっていると言われるほどに栄えたのだとか。

1ヘクタールほどの狭い谷あいに家屋が密集する中、土地を有効活用するため、このような形の家が建てられるに至ったとのこと。入り口の前にある小屋に、町並み保全協力金として1人あたり100円を入れる料金箱が設置されています。民家の何軒かは300~500円で見学できます。

矢島で「たらい舟」体験

宿根木から車で8分ほど進み、脇の小道に入って海岸に出ると、「矢島体験交流館」があります。館内で「たらい舟」体験の申し込みをしましょう。体験料は600円です。

「たらい舟」とは見た目は大きな木のたらいという、なんとも珍しい舟です。昔の桶を改良して作ったといわれています。

佐渡の沿岸は、入り組んだ地形で通常の船では入り込みづらい一方、島の周辺にはアワビやサザエや海藻類など、海の幸が豊富に生息しています。そこで、このような独特な舟が作り出されたのだそう。

「たらい舟」は他ではなかなかお目にかかれませんが、スタジオジブリの人気アニメ「千と千尋の神隠し」にも登場しています。

「たらい舟」では、澄んだ海と、背後に見える矢島・経島(やじま・きょうじま)をつなぐ朱色の美しい橋の組み合わせに注目してみてくださいね。

16:00 新潟へ帰り支度をしよう

16:00頃には帰り支度をして、両津港に戻りましょう。車で1時間ほどかかります。

両津港発のジェットフォイル最終便は17:40。お手洗いやおみやげ購入の時間も考えて、少し余裕を持っておきましょう。
※季節により運航スケジュールが変わります。詳しくは佐渡汽船HPにてご確認ください。

佐渡島のユニークなおみやげ!

港にはみやげ店がずらりと並んでいるので、思いっきりお買い物ができますよ。

オススメの商品で外せないのは海産物類。果物なら柿が名産です。それから新潟県の県鳥で佐渡の市鳥でもあるトキにちなんだお菓子もあります。

筆者が買ったおみやげは、皆に配りやすいし見た目にもかわいい柿飴、金箔入りの純金飴、友達とシェアして食べたい塩と柿といちじく味の一口ようかん(5個入)、瓶詰の鯖味噌、リッチな気分で疲れを癒せる金箔入りの入浴剤でした。

17:40 船に乗って新潟へ

乗船時間はジェットフォイルで1時間ほど。新潟の港に着いたら、来るときに降りたバス停で新潟駅前のバス乗り場まで行けます。

その後は、東京に帰るか別の町を観光したい人は、新幹線か電車に乗りましょう。新潟市周辺をもっと観光したい人向けに、ホテルもたくさんありますよ。

今回の旅は1泊2日でしたが、余裕があれば少なくとも2泊以上がオススメです。ゆっくりと旅を満喫して、きれいな写真をたくさん撮ってくださいね。

緑豊かなトレッキング・ハイキングコースや「佐渡ジオパーク」 、ダイビングスポット、古寺、能の歴史的舞台など、佐渡島にはまだまだ興味深い観光スポットがたくさんありますよ。

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