【レスリング・東京五輪世界最終予選】タックル王子が3大会連続出場 パフォーマンス封印し「弟に感謝」

高谷は3大会連続の五輪出場を決め感極まった(ロイター)

レスリングの東京五輪世界最終予選初日(6日、ブルガリア・ソフィア)、男子フリー86キロ級準決勝で、タックル王子こと高谷惣亮(32=ALSOK)がポーランド選手を7―2で下し、7日の決勝に進出。2位以内が確定し、日本協会の規定により、3大会連続となる五輪代表を決めた。

いつもは勝利パフォーマンスで沸かせる王子が、思わず感極まった。「いろんな感情が出てきて。真っ先に思い浮かんだのは弟(大地=自衛隊)への感謝です」。

4月のアジア予選(カザフスタン)で切符獲得を逃し脱力感に襲われた自分を、弟が鼓舞してくれた。帰国後、日本選手団内で新型コロナウイルス感染者が確認。体調不良を申告しないケースがあったとして、チームは隔離期間中も練習ができる特例措置が認められなかった。満足に練習ができない状態でも、弟のサポートがあったからこそ、世界の猛者を相手に1日4試合を戦い抜くコンディションを保つことができた。

過去2大会は74キロ級で出場。東京では、重量級で初のメダル取りに挑む。コロナ禍での五輪開催へ風当たりが強くなっていることも知るベテランは「なかなか理解を得られない舞台かもしれないが、アスリートも信念を持って金メダルのために切磋琢磨している。金メダルを取って祝福されるような選手、大会になれればいいと思う」と表情を引き締めた。

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