若鷹・リチャードが二軍で絶好調 待たれる一軍昇格条件は「集中力」

一軍昇格が待たれるリチャード

王球団会長も熱視線を送るソフトバンクのロマン砲・リチャード内野手(21)が、二軍で奮闘している。6日時点で打率2割6分2厘、7本塁打、24打点。昨季のウエスタン2冠王は、今季も本塁打と打点でダントツの成績を残している。

球団が稀有な右の長距離砲としての資質にほれ込み、手塩にかけて育ててきた。そんなロマン砲が二軍で申し分ない成績を残し続けているだけに、ファンの間では一軍昇格待望論が日増しに高まっている。

現時点において「一軍昇格候補」に挙がっているのは事実だ。いずれはチームを背負う主砲となる逸材。描くゴールはみな同じだが、そこに導くまでの「ルート」は全会一致ではない。

昨季に続くファーム2冠独走の事実は、何よりの説得力がある。ユニホーム組、背広組の両方から「昇格チャンスは十分。五輪があるならば、キューバ勢が五輪予選出場のため今月中旬以降にチームを離れる。そこで枠をもらえる可能性は当然考えられる」と、昇格を後押しする見方は多い。

一方で、ロマン砲を「大きく育てる」視点に立った意見も根強い。「どうしても『今』というわけではないのなら、もう少し力をつけてからの方がいい」(チーム関係者)。また、リチャードを三軍監督時代から指導してきた藤本二軍監督は「(昇格)チャンスはある」と認めた上でこうも語る。

「リチャードは二軍の試合の中でまだ全打席集中できていない。3打席目まで集中していても、最後の打席でガラッと変わることがある。一軍は1打席もムダにできない、集中を欠くことのできない世界。そういう厳しい世界に上がっていこうとするのなら、本人が気づいて変わっていかないといけない」

遅かれ早かれ一軍の舞台に立つ日は近いだろう。だが、そこから幾多の「一軍の壁」が待っているだけに、その先を案じて様々な意見がある。

一軍現有戦力がうまく機能していれば、昇格ハードルは高い。その中で実力を評価され時期尚早ではないと判断されれば当然、声がかかる。リチャードの一軍デビューのタイミングに注目が集まる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社