ミック・シューマッハー、父ミハエルとの思い出を語る「僕もフェラーリの歴史の一部であることが嬉しい」

 2020年シーズンのFIA−F2でチャンピオンを獲得し、2021年から念願のF1デビューを果たしたミック・シューマッハー(ハース)。言うまでもなく彼の父親は7度のワールドチャンピオンを獲得したミハエル・シューマッハーであるが、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙によるインタビューでミックは、父にプロドライバーになりたいと伝えた日の思い出を語った。

「ふたりで話しているときに、父は僕に『お前はレースを単なる趣味と捉えているのか。それとも本気でやりたいと思っているのか』と聞いてきた」

「僕はハッキリと、自分は本気でレースに取り組みたいと答えた」

 この会話のとき、ふたりはドイツ・ケルペンのカート場にいたという。現在はミハエル・シューマッハー・カートセンターという名で知られるこの場所は、ミハエルとその弟ラルフが幼少期から走りこんだ『ホームコース』。そしてミックもまた、シューマッハー家ゆかりのこの地でプロドライバーとしての第一歩を踏み出したことになる。

 1999年生まれのミックに父の全盛期の記憶はほとんどないようで、はっきり覚えている最初のグランプリは、ミハエルがメルセデスからF1復帰を果たした「2010年のオーストラリア」だという。

 ミックにとってミハエルは偉大なドライバーというより父としての思い出のほうが大きいのかもしれない。それでも彼は父が黄金時代を築いたフェラーリにフェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員として関わっていることへの思いを語った。

「父がフェラーリの歴史の一部であることは知っているし、今は僕もその一部であることが嬉しいよ」

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