【大相撲】国技館の土俵周りで応急対応処置講習会 春日野本部長「迅速な対応ができるように」

春日野警備本部長

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた7日、土俵上の応急対応処置講習会が国技館の土俵周りで行われた。本場所で取組などのアクシデントに対応することが目的で、審判や警備担当の親方、呼び出し、診療所の医師ら約60人が参加した。

講習会は特定非営利活動法人スポーツセーフティジャパン代表理事の佐保豊氏が講師を務め、ケガ人の搬送方法などを説明。参加者は実際に担架を使い、患者の運び方を学んだ。

この日、電話取材に応じた春日野警備本部長(58=元関脇栃乃和歌)は「やはり土俵の充実というところで、力士が思いきって相撲を取れるような状況にしていかないといけない。もし、不慮な事故が起こった場合でも迅速に対応ができるように進めていくということ」と語った。

今年に入って土俵では予期せぬ事故が相次いだ。三段目力士の響龍さん(本名・天野光稀さん、境川)が春場所13日目(3月26日)の取組で頭部を強打し、先月28日に急性呼吸不全で死去。初場所10日目(1月19日)には幕下湘南乃海(23=高田川)と幕下朝玉勢(27=高砂)の頭同士が激突して湘南乃海に脳震とうのような症状が見られた。

春日野本部長は「1分でも速い迅速な対応が必要」と強調する。一方、取組中の土俵周りに医師は配置しないという。

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