『DREAM ONLINE CIRCUIT 2021 supported by Eggs』開催記念座談会・樋口寛子(新宿LOFT)×長尾健太郎(名古屋RAD SEVEN)×倉坂直樹(南堀江knave)- 東京、愛知、大阪のライブハウスがタッグを組み、ご当地の出演者による遠距離オンラインライブを開催!

東名阪のライブハウスをつなぐ配信ならではの試み

──まず、今回の公演の趣旨を樋口さんから話してもらえますか。

樋口:コロナ禍から1年以上が経過し、ライブハウスもいろいろと模索しながら配信というツールを学んで実践してきたなかで、LOFT以外のライブハウスをオンラインでつなぐ配信型のサーキットイベントをやれないかと思いまして。そこで以前からお世話になっていた名古屋RAD SEVENの長尾さん、南堀江knaveの倉坂さんにお声がけさせてもらったんです。RAD SEVENは、長尾さんが以前担当されていたバンドに出演依頼をしてからのお付き合いで、倉坂さんはKANA-BOONの(谷口)鮪さんに紹介していただきました。以降、音速ラインのツアーでknaveにお世話になったりして。

──LOFTはコロナ禍直後の昨年3月初頭から配信ライブを積極的に開催してきましたが、RAD SEVENとknaveも同じでしたか。

倉坂:そうですね。配信はけっこう早い段階からやってたほうだと思います。

長尾:僕らが配信を始めたのは去年の6月頃ですかね。名古屋は東京や大阪と比べると有観客のライブをわりとできていたので。去年の4月くらい、緊急事態宣言が出る直前までは比較的ライブをやれていました。

──コロナ禍前から配信ライブは行なっていましたか。

長尾:全然です。コロナになってからようやくそういう動きが出た感じで。

倉坂:knaveも配信は全くやってませんでした。

──急に機材を揃えたり、配信のノウハウを取得するのも至難の技ですよね。

倉坂:ただ緊急事態宣言の間に店を1カ月ほど閉めた時期があったので、そこで『サウンド&レコーディング・マガジン』の特集とか資料的なものを読んだり、それなりに楽しく技術を学べた気がします。

──配信ライブは臨場感や場内の一体感が失われる一方、遠方に住む方でも気軽にアクセスできる利便性があるなど良し悪しがあります。皆さんは率直なところ配信ライブに対してどんな思いを抱いていますか。

倉坂:ポジティブなほうで言えば、そのバンドに興味はあるけど場所が遠くてライブへ行けない方が配信チケットを買ってくれたり、リアルには行けないけど配信でなら観れるという配信の常連さんが増えたように感じます。あと、若手の通常ブッキングだとお客さんが少ないこともあって、自分が今日ブッキングしたバンドを観たかったのは日本中でこれだけやったのか!? と凹むことがあるんですけど(笑)、現場のお客さんに加えて配信チケットが売れていたら少なくとも日本中に数十人はそのバンドを観たい人がおったんやなと励みになりますね。規模の小さい話ですけど(笑)、そういう面で救われてるところが個人的にはあります。

長尾:配信に関しては倉坂さんと同じような感じですかね。このコロナの状況下でライブハウスへなかなか足を運べない方々から感謝されることが増えたし、ライブハウスでブッキングをしている身としてはライブを生で観てもらうのが一番嬉しいことではあるんですけど、今はこういう楽しみ方があって、いつかまたライブハウスへ行けたらいいなという声もあって、これはこれで面白いのかなと思いますね。

──東名阪のライブハウスをつなぐというのも配信ならではの試みですしね。

樋口:mahocastでもオンラインでライブをつなげるライブハウスが他にもあると聞きました。北海道のライブハウスと東京のライブハウスをつなげたり、北海道も広いから道内のライブハウスを3店舗くらいつなげる試みもあるそうです。

──現場、各店舗のキャパシティはどれくらいなんですか。

樋口:LOFTは本来550人入るところが100人で、5月から150人入れる予定だったんですけど、三度目の緊急事態宣言が発令されてどうしようかと考えているところです。

長尾:RAD SEVENも他のライブハウスと同じく通常の半分で、今は70人で設定していますね。

倉坂:knaveも本来の半分で70人です。こればかりはどうしようもありませんよね。国に要請されたら従うしかない。

樋口:飲食店の補償金が中小企業も大企業も一律なのはおかしいと思いますね。前年比の売り上げベースで補償してもらうのが理想だし、普段売り上げが少ない店がそんなにもらえるの?というくらい補償されるケースはどうかと思います。もちろん少額でも補償を受けるのは有り難いことですけど。

長尾:東京や大阪と比べると名古屋は家賃が安いので、今の補償内容だと逆に売り上げが立ってしまうこともあるんです。そういうこともあってアルバイトに変わらず仕事をお願いできているのは良かったです。雇用調整助成金を活用しているのもありますけど。

倉坂:大阪はいろいろと情報が錯綜して府知事の発言も二転三転するし、「それでどうなん!? それやったらそれで考えるから早よ教えて!」っていうようなことが多いですね(笑)。ウチもフルブッキングで休みなく営業しようとしてますが、有観客だったはずが急遽、無観客配信になるケースも多くて、そうなるとバーや受付をやってくれるアルバイトは仕事がなくなってしまうんです。だから「今日はごめん、急だけど休みになってしまった」と謝ることが増えました。ただそこは会社がちゃんと保証しています。

樋口:LOFTもここ最近はほぼフルブッキングになりましたけど、それでも急遽空いてしまって埋められない日が月に1日か2日くらいはどうしても出てしまうんです。そこでも何とか前向きに対処し、完全に中止になるケースはだいぶ減りましたね。去年の今頃はまだ様子見の段階なのもあって延期に次ぐ延期でしたけど、今は良い傾向になってきたと感じます。やっぱり無観客でもライブをやりたがっている人は確実にいるんだなと実感するし、もうこれ以上休んでいられないという方も一定数いらっしゃるんでしょうね。年内の土日や祝日はすでに埋まりつつありますし。

新宿LOFT

こんな状況でもライブハウスを必要とする人たちがいる

──この1年以上、皆さんブッキングにはご苦労されていると思いますが、くじけず出演オファーを続ける心の拠り所とはどんなものなのでしょうか。

樋口:コロナ禍前と比べてブッキングがしづらくなったのは間違いなくありますが、動きを止めずに攻めの姿勢でポジティブに活動するバンドやシンガー・ソングライターも少なからずいらっしゃるんです。そういう出演者の方々にすごく救われた1年でしたね。この状況ではとてもライブをできないと断られるケースはもちろん多々ありますけど、それぞれの事情もあるし、そこで無理にお願いしても仕方ないですし、このコロナ禍だからこそできる活動を前向きにやっている方々にお声がけさせてもらってますね。今は無理でも「落ち着いた頃にはぜひLOFTに出させてください」とお話しできている方々も多いですし。

長尾:僕らも同じような状況ですね。コロナの中でもあえて活動をしていくというバンドと一緒にイベントを組んでいます。コロナになる前はツアー・バンドを迎えることが多かったけど、今は逆に地元のバンドばかりで組むことが多くなりました。それで地元のバンドがすごく育ってきた印象が強くて、この1年で20組ほど地元のバンドが増えた気がします。

倉坂:地方のライブハウスなので、長尾さんが言うようにツアー・バンドが来ないのはけっこう痛手なんですよ。ツアー・バンドが来てくれて、それを地元バンドが迎え打つという図式がこれまでの主流で、それができなくなくなってしまって。去年はそれでも出たいという地元バンドに出てもらって「今はこれで頑張ろうや!」と耐え忍んでました。今年に入ってからは去年の6月にやるはずだったknaveの18周年公演を1月に振り替えて派手にやって、「そろそろ持ち直して爆発させていこうぜ!」みたいな感じやったのに大阪ではコロナの感染者数が激増してしまって…。年が明けて、去年頑張ってくれた地元バンドに恩返しするで!と意気込んでいたのに何も返してあげられない状況になってしまったのがすごく歯痒かったし、僕自身もそこで思考が停止してしまって。そのタイミングで樋口さんからオンラインでライブハウスをつなぐ配信ライブをやりましょうと提案を受けて、そうだ、こんな状況でも前向きにいろいろと仕掛けていかなあかんよなあと思いまして。だから今回の企画はバンドも店舗もそうですけど、実は僕が一番救ってもらったような気がしてるんですよ。

──ライブハウスの灯を絶やすわけにいかないという使命感もブッキングのモチベーションとしてありますか。

倉坂:ありますね。ライブしたくてもできない子らがけっこう多いんですよね。職場の都合でとか。そういう子らが「コロナが落ち着いたらまたライブやろうや!」と言ってるのを聞たり、いつも来てくれるお客さんが全然来れない状況を考えると、帰ってこれる場所をちゃんと残しておきたいと思います。

長尾:どこのライブハウスもそうなんでしょうけど、自分たちもコロナになってからライブハウスの在り方を考えるようになりましたよね。自粛期間に時間がやけにできちゃったので、いつも追われていた通常業務以外にこれから先のことを見据えることが増えました。店内もやたらと改装しましたしね。お客さんに今度来てもらったときに「居心地良くなったでしょ?」と言えるように。

──LOFTはこれまでオリジナルのマスクやコーヒーといったドネーショングッズを制作してきましたが、RAD SEVENとknaveもライブ制作以外で利益を上げたりしましたか。

長尾:僕らRAD系列はドネーションをやらずに、自社レーベル所属のバンドによるオムニバスCDを作りました。それを全国のライブハウスに送らせてもらって、その利益をそのライブハウスのものにしてもらって。時期が来たらウチのバンドがツアーで行かせてもらうので、そのときはまたよろしくお願いします、っていう。

倉坂:ウチはドネーションというわけじゃないですけど、18周年記念のTシャツを作って販売はしましたね。いつも周年のTシャツはスタッフの分を作るだけなんですけど、こういう時期でもあるし、毎年欲しいと言ってくださるお客さんもいらっしゃるので。店からの発信よりも有志のバンドがいろいろやってくれるケースが去年は多かったです。事前にドリンクチケットを販売できるシステムを作ってくれたり、作ってもらった缶バッジの売り上げを全部寄付してくれたり、そういうことにものすごく助けられました。コロナ禍になって一番最初に叩かれた業界なのに、「ライブハウスを守りたい!」と助けてくれる人たちがこんなにいっぱいいるんやなと実感できたし、もっと頑張ろうと気持ち的に思えましたね。

樋口:今はとにかく配信を主軸に頑張るしかないですよね。なかなかポジティブにはなれませんけど、いろんなことを前向きに取り組んでいれば、それを見て応援してくれる人は必ずいると思うので。三度目の緊急事態宣言が発令されてアルコール販売ができなくなっても、どうすれば他の方法で利益を生めるか前向きに考えるしかないし、LOFTがいろんな方法でライブハウスを存続させていくことが他のライブハウスの手本になればいいなとも思うんです。その一環としてRAD SEVENとknaveをつないで配信ライブをやってみることを考えたし、こうした動きを見て「こんなやり方もありなのか」と思ってもらえたら嬉しいですね。ふてくされたらそこで負けだし、とにかく前向きでいたいです。こんな時期に何やってるの?と感じる人もいるでしょうけど、ライブハウスを必要とする方々もいらっしゃいますから。

名古屋RAD SEVEN

3店舗が推す地元バンドの特色とは

──さて、今回の『DREAM ONLINE CIRCUIT 2021 supported by Eggs』ですが、それぞれご当地のバンドが出演するそうですね。どんな基準で選ばれたのでしょうか。

樋口:新宿LOFTに関して言うと、このコロナ禍でもLOFTの通常公演によく出てくださる方々をセレクトしました。それと今回の公演に協力してくださるEggs(インディーズバンド音楽配信サイト)が推薦するバンドにも出てもらいます。

──せっかくなのでそれぞれの出演バンドを紹介していただけますか。

樋口:まずTHE KING OF ROOKIEはEggsの推薦バンドで、私もライブを観るのは初めてで楽しみです。今回はそういうはじめましてのバンドにも出てもらいたかったんです。ワタナベタカシさんはバンド編成で出演してもらうんですけど、コロナ禍のこの1年よくLOFTに出てもらっていたし、今回オファーをしたら即快諾いただきまして。フィルフリークもLOFTに出るのは初めてで、ある方から「一度LOFTに出てほしかった」と推薦してもらいました。daisanseiは昨年末にLOFTでレコ発ライブをやってもらったり、前向きにコロナに負けじと活動しているところがLOFTのスタンスと重なるので。中村パーキングもこのコロナ禍で休むことなく自分たちのペースで活動しているので今回の公演の趣旨と合うと思ってお声がけさせてもらいました。

長尾:今回はいつもRAD SEVENに出てもらう面子とはちょっと変えて、樋口さんのセレクトに色を合わせたところがありますね。東海地区で配布している『2YOU MAGAZINE』というフリーペーパーにJONNY-SANやWiLLY-NiLLYを紹介してもらったり。JONNY-SANは10年以上前から名古屋で活動してるバンドで、『2YOU MAGAZINE』編集長の柴山(順次)さんがやっていたONE BY ONEというレーベルから作品を出していました。WiLLY-NiLLYはもともと名古屋で活動していたBob is sickの久世悠喜くんによる新しいバンドです。50Nollはウチによく出てる若いバンドで、一組はそういう若手を入れたかったんです。

倉坂:ウチはいつもknaveに出てくれてるバンドに「いいチャンスをもらったから頑張れ!」という思いを込めて出てもらいます。knaveで若手を1年間プッシュする『ゴールドメンバーズ』というイベントがあって、そこに出たバンドがメインですね。青い紫陽花はトリオ編成のギターロックバンドで、とにかく曲がすごく良くて頑張ってほしいなと。AOI MOMENTも何年か前の『ゴールドメンバーズ』で推してたバンドで、ここもトリオ編成ですごくクオリティが高いんです。Transit My Youthも同じく何年か前の『ゴールドメンバーズ』で推してて、パワーポップ系でいいバンドなんです。shandy Wzは『eo Music Try』という関西最大級の音楽コンテストで今年決勝まで行って、投票期間にknaveと一緒に頑張ってたバンドで、クオリティがどんどん上がってるんです。メランコリーメランコリーはEggsの推薦で前身バンドの頃から仲良くて、この子らもすごい曲のクオリティが高くていい感じに頑張ってるので。どのバンドにも「この機会にRAD SEVENやLOFTと仲良くなったら呼んでくれるかもしれんで!」と発破をかけてます(笑)。

──いずれも次世代を担う気鋭のルーキーということですね。どの世界でも有望な新人が出てこなければ未来がないし、今回のイベントのような試みは大いに意義があると思います。

樋口:正直、まだ今年いっぱいはコロナのこうした状況が続くと思うんです。来年こそは何の不安もなくイベントを組めればいいんですけど。

長尾:とにかく今のこの状況でやれることを精一杯やるしかないし、いろいろと制限された状況下ではあるけどイベントを組めることは組めるので。ここでやれるだけのことをやって状況が変わっていけばいいなと思います。

倉坂:コロナになる前のテンプレっぽいものが一切使えなくなりましたからね。バンドの活動で言えば、この時期にツアーをまわって東京はLOFTにお願いしようとか。ライブハウスでの利益の生み方も新しいスタイルを探さないとダメなんやろなと思うし、配信も若干飽きられてきた感もありますよね。それなら同じ配信でもこうして東名阪をつないでいつもと違う感じでやるのはどうか?とか提示していけるのはいいなと思います。

樋口:コロナ前までは面白いブッキングをして、そのイベント内で飲食の売り上げを考えるのがメインだったんですけど、これからはブッキング以外で利益を生む方法を考えないと生き残れませんよね。特にLOFTは歌舞伎町の一等地なので家賃も高いですし。去年はマスクやコーヒーといったオリジナルグッズを作りましたけど、他のライブハウスが考えないような目新しいグッズ案がまだあると思うし、ライブに頼らずに音楽家が生活できる方法を考えていければと思います。ライブハウスの人間が言うのもヘンな話ですけど、良い意味でライブに頼らないと言うか。だから私もブッキング以外にレーベルの仕事をしていたりするんです。

今の自分に合った音楽の楽しみ方をしてほしい

──ある意味逞しいし図太いですよね、ライブハウスは。転んでもただでは起きないと言うか。

樋口:この手がダメならあの手があるだろうというのを常に考えてますからね。この先、コロナが落ち着いても配信というツールは当たり前のようにある手段になるだろうし、それを踏まえた上で今回はオンラインだけではなく有観客でもイベントを行なう予定なので、皆さんに合った方法でライブを楽しんでもらえたらいいなと思うんです。歌舞伎町の中心にあるLOFTまで行きたくないからオンラインを選ぶということでも全然構わないし、ライブはやっぱり生に限るよねという人はぜひLOFTまで足を運んでほしいです。感染対策は万全だし、ちゃんと20時には終わりますから。この状況下で自分に合った音楽の楽しみ方をしてもらうのが今回の企画で重要な部分なんですよ。ライブハウスはいま存続が困難な状況にあるのは確かですけど、経営的に厳しいのはどの業種も同じだし、何もライブハウスだけが特別なわけじゃない。大変なのはみんな同じなんだから知恵を絞ってやれることをやるしかない。今回のイベントはその一環なんです。

──本公演が三度目の緊急事態宣言発令期間が明けた後に開催されるのはひとまず良かったですね。【註:当初、三度目の緊急事態宣言は5月11日までの予定でしたが、取材後に5月末まで延長となりました】

樋口:宣言が延長されないことを願うばかりですけど、どうなることやらですね。でも仮に延長になっても無観客配信だけでもやりたいです。こんな大変な状況ではあるけど、だからこそ音楽を楽しめる空間をオンラインを通じて届けたいですし。状況は今も二転三転してますけど、神経がだいぶ図太くなければこんな仕事はやれませんよね(笑)。

倉坂:お金のためだけじゃ続かないですよね。どうにも暗い話になりがちですけど、去年の緊急事態宣言が明けた後にknaveへ遊びに来てくれたバンドの子らに「倉坂さん、意外と元気そうですね」とけっこう言われたんですよ。ライブハウスがいろいろ叩かれた時期だったので。でも僕らライブハウスの人間はそんなふうに飄々とした感じと言うか、「なんやかんやゆうてあの人ら楽しそうやな」みたいに思われるポジションでいたいですね。「あかん、もう無理や」と塞ぎ込むのではなく、「キミらバンドがいてくれてライブしてくれるんやったらまあまあ何とかなるで!」みたいな極力軽いノリでいきたいです。今回のイベントはknaveの地元バンドを長尾さんと樋口さんが気に入ってくれて、ツアーでお邪魔させてもらうようになれば嬉しいし、そうやって未来につながればいいなと思います。

長尾:ちなみに僕は4月の頭に体調を崩しちゃって、ライブハウスの現場に行けない時期があったんですが…。

樋口:それは大変でしたね。

長尾:おかげさまで何とか復帰できましたけど、4月はRAD SEVENが5周年で毎日イベントを組みまくっていたのに自分が現場にいられない状況がけっこう辛かったんです。でも配信の設備があったので自分のパソコンで連日のライブを観ることができて、便利な世の中になったなと逆に実感できたんです。いまライブハウスへ足を運べない人はきっとこういう感覚なんだろうなと思って、来場と配信の2パターンあることが自分の中ではだいぶポジティブなことになりましたね。ライブハウスに行けない理由は人それぞれだし、選択肢が増えるのはいいことだと思って。

樋口:私個人もRAD SEVENやknaveに行きたいけど、まだ当分は名古屋や大阪へは行けないし、長尾さんと倉坂さんの推す地元のバンドをオンラインと言えども観るのが楽しみなんですよ。オンラインであれ会場であれ、お客さんと一緒に私自身も楽しみたいですね。5月23日はどうぞよろしくお願いいたします。

南堀江knave

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