五輪迫る日本、緊急事態宣言を延長

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東京オリンピックの開会まで3カ月を切る中、日本政府は7日夜、新型コロナウイルス対策のための緊急事態宣言について、対象地域を拡大すると共に期限を5月末まで延長すると発表した。東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で11日まで予定されていた緊急事態宣言を月末まで延長すると共に、12日からは新たに愛知、福岡も加えて計6都府県にする。

菅義偉首相は首相官邸で記者会見し、「ゴールデンウィークという大型連休にあわせ国民の皆様に短期集中の措置をお願い」したものの、「新規感染者数は大都市部を中心に高い水準にあり、大阪、兵庫などでは病床の逼迫(ひっぱく)が続いている」ほか、「感染力が強いとされる変異株も拡大を続けている」ため、「ウイルスに対する強い警戒を維持しあらためて対策が必要だと判断」したと緊急事態宣言を延長する理由を説明した。

日本のこうした状況を受け、7月23日に開始予定の東京オリンピック・パラリンピックについて、実施を疑問視する声が増えている。

東京五輪には約200カ国・地域から1万人超の選手が参加する予定。

今月17日からの日程で調整中だった国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は今月17日から来日する予定だったが、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は7日の定例記者会見で、予定通りの来日は「正直申し上げて、非常に厳しいのではないか」と発言。「状況を直接見て頂くことは非常に重要だが、緊急事態宣言の期間中にお越し頂くのは、大変大きな負担をおかけするのではないか」と述べた。

緊急事態宣言の対象となる6都府県では、酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請が続く。床面積が1000平方メートル超の大型商業施設については、これまでの休業要請から午後8時までの営業に緩和されるものの、各知事の判断にゆだねられる。東京都の小池百合子知事は同日夜、床面積が1000平方メートル超の百貨店や大型商業施設などへの休業要請を、独自に継続する方針を表明した。

原則無観客としていたスポーツなどのイベントについては制限を緩和。入場者を収容人数の50%を上限に最大5000人として、午後9時までの開催にするよう、政府は要請した。

緊急事態宣言の延長に合わせ、これに準じる「まん延防止等重点措置」も月末まで延長する。9日から北海道と岐阜、三重両県を追加する一方、宮城県は11日の期限で解除する。重点措置は埼玉、千葉、神奈川、愛媛、沖縄を含めた計8道県となる。

大阪府の吉村洋文知事は同日の会見で、府内の「医療が極限にひっ迫している」と述べた。

NHKニュースなど複数報道によると、大阪府門真市の高齢者施設で先月中旬以降、入所者や職員合わせて61人が新型コロナウイルスに感染し、そのうち6日までに入院先が決まらず施設内で療養していた入所者13人が亡くなっていたことが判明している。

7日には西村康稔経済再生担当相が参院議院運営委員会で、インド由来の新型コロナウイルス変異株について「非常に感染力が強く、対応を強化しなければならない」と発言している。

(英語記事 Japan extends Covid-19 restrictions as Olympics draw nearer