直接予約可の医療機関、受け付け初日に公表 混乱の熊本市、高齢者ワクチン接種

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熊本市北区のクリニック受け付けに設置されたワクチン対応を断る文書。接種予約の問い合わせや来院が相次ぎ、一般診療に支障が出たという=7日、熊本市北区

 熊本市が6日始めた65歳以上の一般高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種の予約受け付けで混乱を招いたのは、接種可能な市内の医療機関と、直接予約できる医療機関が同日初めて公表されたことが大きく影響した。

 同市北区のクリニックは、第1期分の直接予約でかかりつけ患者のみ12人を受け付ける予定だった。しかし、6日朝から患者以外からも問い合わせが殺到し、7日も続いた。このため、直接予約可能な医療機関を示した同市のホームページから削除を願い出たという。

 接種枠を12人分としたのは、職員の作業の進め方を確実にし、トラブルに対応するため。院長は「少なめに頼んだ」と話す。

 同市内で直接予約可能な医療機関は78カ所あったが、市が公表したのは6日。市が受け付ける約4200人分とは別に、最大4千人分のワクチンを見込んでいたことも知らされていなかった。北区の男性会社員(56)は父親のためにネット予約を試みたが果たせず、その後かかりつけ医の窓口でも予約ができることを知ったという。「コールセンターやネットでの受け付けばかりがPRされ、かかりつけ医ではできないと思い込んでいた」

 一方、同市は4月27日時点で来年2月までに接種可能な市内の医療機関379カ所を公表していたが、6日に発表したのは第1期の237カ所だった。医療従事者の接種が予定通り進まないために病院側の体制が整わなかったことなどが理由とされるが、「数が減った」ことが予約の混乱に拍車を掛けた。

 「事前に十分な説明がないまま変更されると困る」。熊本市中央区の自営業木庭祐子さん(59)は、予約開始前日までは両親のかかりつけ医を一覧表で確認していたが、当日申し込もうとした段階で消えていたという。

 同市医師会でコロナ対策を担当する杉野茂人医師(64)=同市西区=は「医師会も市と情報を共有し、速やかに接種ができるよう努めたい」と話す。(新型コロナワクチン取材班)