ベールに包まれた井上尚弥の相手・ダスマリナス 対戦経験者が語る

井上尚弥

ボクシングWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)が、6月19日に米ネバタ州ラスベガスでIBF同級1位のマイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)と防衛戦を行う。本人は「油断なく仕上げます」と気を引き締めるが、下馬評は圧倒的に井上有利とみられている。

そんな中、ダスマリナスと対戦した唯一の日本人選手で、日本バンタム級暫定王者などに輝いた木村隼人氏(31)が、ベールに包まれた挑戦者を語った。

現在は古巣のワタナベジムでトレーナーなどを務める同氏は、2014年にダスマリナスと対戦(8回戦、判定負け)。井上とのスパーリング経験も踏まえて「総合的に井上選手の方がレベルは高いと思う。(ダスマリナスのパンチ力も)硬くて軽くはないが、驚くほどではなかった」と、やはり井上有利と見る。

しかし決して簡単な攻相手ではないという。「打ってくるタイミングが0・1、0・2テンポくらい遅れてくる。ワンテンポくらいなら修正できるが、微妙な遅れ方だったので最後までつかみきれなかった。それに最後まで手数が落ちないスタミナもある」。試合展開については「井上選手のパンチを受けた時のダスマリナスの気持ち次第。そこで強い気持ちを保ったら、井上選手でもすぐに倒せるかどうか」と予想した。

公称170センチとなっているダスマリナスの身長だが、木村氏は「僕の時は165センチとなっていて、同じくらいの身長の人とスパーして準備していた。でも実際会ってみると170センチの僕より明らかに高かった」。

まさかのプロフィル〝詐称〟だったわけだが、今回も何らかの混乱作戦を仕掛けるかもしれない。やはり軽視は禁物のようだ。

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