店名公表「単なる罰に」 実効性や合理性に疑問の声

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閑散とする歓楽街の国分町=2020年12月28日、仙台市青葉区

 宮城県が7日に発表した時短営業命令と店名公表について、飲食関係者や識者は実効性や合理性を疑問視し、手続きの不透明さを懸念する。

 「(11日の)重点措置解除間際では遅すぎる。単なる罰則になり、感染拡大を食い止めるという本質から離れてしまった」。仙台市青葉区国分町地区の事業者でつくる一般社団法人国分町街づくりプロジェクトの狭川淳事務局長が指摘する。

■「営業の自由、侵害の恐れ」

 市内の飲食店は昨年12月以降、時短の要請と解除の連続に翻弄(ほんろう)されてきた。狭川氏は「経営の展望が描けないまま簡単には要請に従えない。要請を守らない店が全て『悪』とは言えない」と本音を漏らす。

 仙台弁護士会の野呂圭人権擁護委員長は「要請や命令に従った際に十分な損失補償がなされなければ、『営業の自由』を侵害する恐れがある」と強調。「県は私権制限をかけることが科学的にも正しく合理的だということについて説明を尽くすべきだ」と訴える。

 県は命令に至るプロセスのうち、要請に従わない店の弁明や学識経験者の意見聴取の機会を公開していない。

 千葉大の新藤宗幸名誉教授(行政学)は、強制力を伴う命令や店名公表が社会的制裁につながるリスクもはらむとして「行政は私人に不利益な処分をするに当たり、言い分を全面的に開示するべきだ」と主張。

 「感染が拡大する中、『権力の言うことに従うのは当然』といった雰囲気が出てくる。仮に県がより強権的な措置を取っても、それほど大きな批判が起きないかもしれない。そのことが実は怖い」と警戒する。