米国産冷凍フライドポテト 対日輸出増へ 関税撤廃で各国の競争激化

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米国産冷凍フライドポテトの対日輸出が伸びそうだ。日米貿易協定により、4月から冷凍フライドポテトの関税が撤廃されたためだ。現地からは「対日輸出額がこれまでの2割増になるのでは」との推測も上がる。

同国では、年間生産量約2000万トンのジャガイモの3分の1を冷凍フライドポテトに加工する。アイダホ州に次ぐ第二の産地ワシントン州では、約300戸の農家が6万4800ヘクタールの農地で毎年400万トンを生産し、その9割をフライドポテト加工用に仕向けている。

同州のジャガイモ生産者などで構成するワシントン州ポテト委員会(WSPC)は、現地メディアに「日本の関税撤廃が米国産フライドポテトの輸出促進を強く後押ししてくれる」との声明を発表した。日米貿易協定で、米国産冷凍フライドポテトの関税2・1%が4月1日から撤廃されたためだ。

米国産冷凍フライドポテトの最大の輸出先は日本で、全輸出量の4分の1が仕向けられる。2020年度の冷凍フライドポテト対日輸出額は2億6800万ドル(約289億円)と見込まれる。

日本の財務省貿易統計によると、日本の冷凍フライドポテト輸入量は年間平均で25万トン、その8割が米国産だ。19年度の輸入量は、27万9442万トンで、そのうち米国が20万8715トン。次にベルギー産2万5633トン、オランダ産2万3400トンが続く。

ワシントン州のジャガイモ農家マービン・ウォルマンさんは、日本農業新聞の電話取材に「新型コロナウイルス禍で多くの外食店が閉鎖したので、農家と冷凍フライドポテトを作る加工業者は多額の収益を失った。今後、日本への輸出を伸ばせば、損なった収益分を取り戻せる」と話した。

また、ウォルマンさんは今後の輸出について「11年の米韓自由貿易協定締結後に、13年の韓国向けフライドポテトの輸出額は、締結前の6割増となった」と関税撤廃の効果を取り上げ、「日本仕向けも貿易額が少なくとも2割は伸びるのではないか」と推測する。

一方、WSPCは現地メディアに「冷凍フライドポテトの関税撤廃は、環太平洋連携協定と日欧経済連携協定でも行われている。カナダ、ニュージーランド、オランダからも今後、無関税で日本に輸出されるから、競争になる」と発言し、日本市場を巡る各国の競争が激化する可能性を示唆した。