主力車種なのに…日産 新型エクストレイルが日本ではいまだに発表されない理由は新型e-POWERにあり!?【日本にない日本車】

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日産の主力車種である「エクストレイル」の新型モデルが、日本ではなかなか現れない。現行型デビューから早くも8年目に突入する中、海外で先行発表されている新型エクストレイルが母国の日本で未公開なのは何故か。そこには、日本仕様を新型エクストレイルの最終進化形として、最新e-POWERと共に華々しく発表したい日産の意向が込められていると推察される。待ちに待った日本仕様の新型エクストレイルについて、現時点で明らかにされている情報とともに改めてご紹介していこう。

日産 新型エクストレイル(4代目)[2021年4月19日発表・中国仕様(上海モーターショー2021)]

北米では2020年6月に新型発表済み! しかし日本では現行型を継続しつつ、最後に隠し玉を用意している!?

「日産 エクストレイル」は、初代がデビューした2000年から昨年2020年までに世界累計で626万台を販売した、同社の主力SUVモデルだ。

3代目「日産 エクストレイル」の日本仕様は、2020年10月にも一部改良を実施しながら継続販売を続けている

2013年12月にフルモデルチェンジした現行型(3代目エクストレイル)は、発売後8年目に突入。次期モデル登場が待ち望まれている状況である。

と白々しく書いてみたが、世界ではもうとっくに新型エクストレイルが発表されているのは、もはや周知の事実だ。

MOTA(モータ)でも度々お知らせしている通り、北米では1年も前の2020年6月に新型「ローグ」の名で早くもその姿をお披露目済み。直列4気筒 2.5リッターエンジンを搭載し、同年10月からは発売を開始している。

2021年4月に開催された上海モーターショー2021会場で発表された中国仕様の日産 新型エクストレイル

そして中国でも、2021年4月の上海モーターショーにて「新型エクストレイル」の名としては初めて公開された。デザインは新型ローグと共通のものである。詳細は明らかにされていないものの、こちらには新開発のVC(可変圧縮比)ターボエンジンが搭載される模様だ。

しかし日本メーカーの主力モデルが、ここ日本ではその姿すら見ることが出来ないのはなんとも歯がゆい限り。SNSを見ても、日産の海外偏重姿勢に疑問を投げかける声が多数みられる。

日産はなぜ新型エクストレイルを、いつまでもここ日本で正式披露しないのか。

実は新型エクストレイルにはまだ隠し玉が残されている。大本命パワートレインとなる新型e-POWER(イーパワー)の初公開と同時のタイミングで、日本向けの新型エクストレイルを大々的に発表したい意向があるのではないだろうか。長く続く時間差攻撃の理由はそこに隠されている。

日本仕様の新型エクストレイルに搭載される隠し玉は次世代型「新型e-POWER」だった

写真は中国仕様の「日産 新型エクストレイル」(VCターボエンジン搭載モデル)

新型エクストレイルに搭載されるe-POWERは新型ノートよりもさらに進化した次世代版

日産のe-POWERは、電気自動車リーフの電動ユニットを流用し、発電専用の3気筒1.2リッターエンジンを組み合わせた独自のシリーズ式ハイブリッドシステムだ。

2020年6月に発表された「日産 新型キックス」に搭載されるe-POWERユニット

2016年に先代「ノート」で初採用し、以来「セレナ」や「キックス」に搭載。2020年12月に発売された新型ノートでは電動ユニットを刷新し、第二世代のe-POWERへと進化している。モーター駆動特有のパワフルでスムーズな走りが新鮮で、いずれのモデルも好調な売れ行きを示している。

しかし日本向けの4代目新型エクストレイル e-POWERには、従来とは異なる新たなエンジンが組み合わされるというのだ。つまり次世代版e-POWERが搭載されることになる。

日産が世界で初めて実用化させた高効率・高出力な可変圧縮比VCエンジンを新型エクストレイルにも搭載

写真は2021年夏発売予定の「日産 新型キャシュカイ」。日本未導入だが、こちらも気になる存在だ

実は次世代版の新型e-POWERユニットについても、既にその概要が欧州で先行発表されている。ただし新型エクストレイルではなく、兄弟車の「キャシュカイ」(欧州専用車)の新型モデルでの話だ。

新型キャシュカイにバッテリー・モーターと組み合わせるエンジンは、新開発の1.5リッターVCターボ(187馬力/330Nm)となる。そう、中国向け新型エクストレイルに搭載される模様の新型エンジンと同じタイプだ。

どうやら日産は、新型エクストレイルの情報について、かなり慎重に小出ししているようである。

写真はインフィニティ向けの2リッターVCターボエンジン

それはさておき、VCターボとは日産が世界で初めて実用化させた高効率・高出力な可変圧縮比エンジンだ。既に海外専用高級ブランドのインフィニティ向けに、2リッター版VCターボが実用化されている。

エンジンを直接駆動させず発電機として用いるe-POWERユニットは、効率の良いエンジン回転域を積極的に用いることが出来る利点がある。高効率なVCターボと上手くマッチングさせることで、これまで以上に高効率にパワーと低燃費を目指す狙いがあるようだ。

日本仕様は新型エクストレイルの最終進化形!? 日産最新技術の集大成となる日本仕様の正式発表は2021年秋か

日産 新型エクストレイルの内装も、新型アリアなどに共通する先進的なイメージのデザインが与えられた

新型キャシュカイと、新型ローグ・エクストレイルは、共にルノー日産三菱アライアンスで共同開発されたCMF-Cプラットフォームを新採用する。新型キャシュカイの1.5リッターVCターボを組み合わせる新型e-POWERが、新型エクストレイルにも搭載されるのは当然の流れだろう。

CMF-Cプラットフォームは、現行型エクストレイルに採用するCMFプラットフォームを軽量化し、かつ剛性も向上させた進化版で、最新のADAS(先進運転支援システム)「プロパイロット」にも対応している。

日本向けの新型エクストレイルは、これら最新プラットフォームと最新パワートレインという日産の先端技術を全部載せした集大成、いわば最終進化形態となってお披露目!…という展開が予想される。

本来なら2021年秋開催予定の東京モーターショーで華々しく日本の電動化技術をアピールする計画だった!?

本来なら、2021年秋に開催予定だった東京モーターショー2021会場にて、華々しく新技術を世界にアピールする目論見だったはず。コロナ禍の影響で2021年の東京モーターショーが開催中止となったのは、日産にとっても悔しいところだろう。

いずれにせよ当初の予定通り、日産 新型エクストレイル e-POWERの日本仕様発表は、半導体不足問題の影響がこの先スムーズに解消されるならば、2021年秋までに行われる模様。ただし、ここまで情報を小出しにしてきた流れからして、正式発表前にも何かしら事前公開が行われる可能性も高そうだ。

日本仕様の新型エクストレイルがどのような仕上がりとなるか、正式発表を楽しみに待ちたい。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]