対馬の山林で広場づくり 木工職人・島居さん「安らげる場所に」

島居さんが山林に設置した木製のブランコ=対馬市上県町

 対馬市上県町佐護北里の島居佳都雄(かつお)さん(57)が、同町の国道沿いにある自己所有の山林で広場づくりを進めている。既に木製のブランコが完成し、将来は無数の花で山林を彩る計画。島居さんは「立ち寄った人が、森林浴を楽しみながら安らげる場所にしていきたい」と話す。
 島居さんは町内で工房を開く木工職人。工房では手作りの器や置物などを展示販売しているほか、地元の児童らを招き木工体験会などをしている。
 島居さんによると山林は広さ約1万2千平方メートルで、4千本近いスギやヒノキが植林されていた。昨年、電力会社による送電網の建設に伴い木が伐採され、山林の一部が殺風景に。その部分を有効活用しようと、広場の整備を思い立った。
 島居さんは2月上旬から広場づくりを開始し、主に週末に作業を進めている。広場は約240平方メートル。既に高さ5メートルの木製ブランコが完成し、乗って遊ぶこともできる。今後は木が伐採された部分にゲンカイツツジやコスモス、ヒマワリなど花の苗を植え、木製の山小屋や食事テーブルなども設置する計画。国道を挟んだ向かい側には小川が流れており、川遊びも楽しめるという。
 広場完成までは5年ほどかかる見通しで、入場料などは取らず、寄付金を募る考え。島居さんは「自由に来て遊んでもらえるような場所になれば。自然の中で寝転がれるようなスペースをつくっていきたい」と話している。

 


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