【新日本】「感染0行進」を止めたコロナ変異株…五輪開催の切り札はワクチン

新日本プロレスは徹底したコロナ感染対策を講じてきたが…

プロレス界の盟主でクラスターが発生した。新日本プロレスは9日に、PCR検査で新たに7選手が新型コロナウイルス陽性判定を受けたと発表。5日に公表された2選手を加え、団体内の陽性者は計9人となった。陽性判定を受けた全選手は軽症もしくは無症状だという。

新日プロの検査を担当している牧田総合病院の朝本俊司医師(59)は「スポーツ団体で(陽性者が)約1年半も0人って新日本プロレスだけだったと思います。今回出たというのは(対策を)怠ったとかではなく、変異株の感染力の強さを物語ってますよね」との見解を示す。

新日本は徹底した感染対策を講じ、地方巡業時には選手の外出自粛のために弁当も配布。他競技ではトレーナーやスタッフから感染が広がるケースもあるが、全員高い認識を持ち、全国各地での興行を成立させてきた。それだけに「コンタクトスポーツですし、本来であればクラスターになりやすい競技のトップワン。0行進で来たことは誇るべきことなんですけどね…」と複雑な胸中だ。

変異株の影響もあり、スポーツ界でもクラスターが多発中。完全にコロナ禍を抑え込むことは困難になっているが、朝本医師は「じゃあここであえて変えるものがあるのかと言えばないんですよ。あとはワクチン(の普及)に期待するしか」。

今後も変わらずこれまでの努力を継続していくことの重要性を説く一方で、ワクチンという〝切り札〟さえ揃えば、状況は一気に好転するというのが朝本医師の見方だ。「ポイントはワクチンを打って抗体が獲得できたかどうかまで調べないといけない」としたうえで「ワクチンの接種さえ進めば東京五輪も大丈夫だと思います。あとは関係者まで含めた(感染防止の)意識の問題。プロレスで0行進を続けられたんだから、それこそ新日本を見習ったらできると思いますよ」と持論を展開した。

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