ジャカルタ、コロナで安くなったアパートを探せ!

『南極星』(『+62』の前身)で以前、「ジャカルタで1000ドルぐらいのアパートを探せ!」という連載をやっていました。自分で言うのもなんですが、大人気連載でした。ウェブサイトには途中までアップされていますので、是非、ご覧ください。
さて、このリアリティー番組ならぬリアリティー連載で実際に引っ越し先を決め、とあるアパートに落ち着いた編集部のHですが、2020年3月ごろから始まったコロナ禍。「最近、ジャカルタ都心のアパートの値段がめちゃくちゃ下がっている」と聞きました。多くの駐在員が帰国し、新規赴任者もなかなか入って来られない状態になったので、当然でしょう。
残念ながらHはすでにアパートの契約延長をしてしまったため、引っ越しの予定はないのですが、友人のDさんがアパートの契約更新のため、引っ越し先を探していました。Dさんに同行して、「ジャカルタのアパート事情の今」の一端を見て来ました。
Dさんの予算は「1000ドルぐらい」よりは高めで、2000ドル台。場所は南ジャカルタ・スティアブディ。すでにアパート4つの20件近い物件を見て、最終候補2件に絞り込んでいました。

あこがれのアイランド・キッチン!!

スカイガーデン

まず最初は「スカイガーデン」です。同じ敷地内に、サービスアパートの「フレイザー」と、アパート「スカイガーデン」の2棟が建っています。

左がスカイガーデン、右がフレイザー。スカイガーデンは壁を補修中

部屋に入ってすぐにどーんと広がる、広々とした空間。リビング、ダイニング、キッチンが一体化していて、細かく仕切られていないので、気持ちの良い開放感があります。

この部屋の一番のポイントはアイランド・キッチン!! あこがれのアイランド・キッチン!!! ガス台3つに広い調理スペース。すぐ横で食べられるようにスツールも。

料理好きの人、料理をする時間の長い主婦の方には、とても良さそう。Dさんは「今のアパートは台所が引っ込んでいるので籠もる感じになっちゃうけど、これなら、テレビを見ながらとかでも料理できるから、いいな」。

広々とした空間、リビング・ダイニング・キッチンの一体スペース

「インドネシア料理教室」も、これならやりやすそうだなー

ガス台の上にはもちろん換気口。下はオーブンと収納用の引き出しなので、「ガスはどこに?」と探すと、なんと、エアコン室外機などが置かれている外に2個のボンベが据え付けてありました。ガスボンベが台所に置かれている状態にはなかなか慣れないので、これはちょっと安心です。「ガスがなくなりかけた時の嫌なにおいもしません」と、案内してくれた「ジョーンズ不動産(The Jones Property)」のウィナ(Wina)さん。

ガスボンベは外に。手前が洗濯機、乾燥機

通常の冷蔵庫の2つ分ぐらいの大きさの特大冷蔵庫が備え付けられ、上が冷蔵、下が冷凍スペースというのも使いやすい。シンクは深い物が2つ。収納スペースもたっぷりと、台所環境は非常に整っています。

見学した部屋は3ベッドルームだったので、リビングを挟んだ両サイドに寝室が3つ(玄関側にマスター、奥に客用2つ)。とにかく、どこもゆったり、広々。

マスターベッドルーム。テレビもある

これまで「1000ドルぐらいのアパートを探せ!」で見てきたアパートは、「長所短所の両方があり、その中で何を優先するか」がポイントだったのですが、このレベルのアパートになると、さすがにほとんど短所が見つかりません。敢えて挙げると、

  • 洗濯機・乾燥機の位置が、外。やや使いにくい。
  • 目の前に、どーんとビル、あまりビューが良くない。
  • 3つもベッドルームは要らない、という家庭には、使わない部屋が出てきそう。(注:2ベッドルームもあります)
  • 「ナチュラルカラー」的な家具がやや安っぽい。
  • プールが開放的すぎる。

……やや「難癖」っぽくなりました。

今は以前より減っているでしょうが、本来は日本人に人気のアパート。まだ築3年と新しいので、近くにある古くなったアパートから引っ越して来る日本人家族も多いとのことです。子供連れか夫婦2人か、日本人との付き合いを求めるかどうかも、このアパートの選択基準の1つとなりそうです。

泳ぎやすそうな四角いプール

子供の遊び場

Sky Garden
・アイランド・キッチン
・台所スペースが充実
・リビング・ダイニング・キッチンが広々として開放的
・洗濯機・乾燥機の位置がやや使いにくい
+/−・日本人家族が多い

**2ベッドルーム(89〜93平方メートル)1400〜1500ドル
3ベッドルーム(155平方メートル)2200〜2500ドル**

ちなみに、以前の値段
2ベッドルーム(93平方メートル)1800〜2000ドル
3ベッドルーム(125〜135平方メートル)2500〜3000ドル

※値段はジョーンズ不動産調べ

水の王宮・アパート版

ラ・ヴィ

続いて、スカイガーデンからすぐ近くの「ラ・ヴィ(La Vie)」へ。フランス語で「命・人生」……随分、気取った名前ではありませんか。「住みやすいのはスカイガーデンかな、と思う。でも、ラ・ヴィでの高級感ある暮らしにもあこがれる」とDさんが事前に語っていたので、私の中では「お高くとまった、マネジメントがやたらうるさいアパートではないか」疑惑。

重厚なアパートの車寄せに着くと、ロータリーのような中央に、自然の岩石がいくつも組み合わせて置かれ、小さな噴水状になっています。そこから真っ直ぐ進むと地下の駐車場へ降りて行くのですが、なんと、両側の岩石の壁を水が流れ落ちている。ここら辺からテンションが急上昇し始めました。

車寄せの前にある、岩石の噴水

「わー、なんだこれー!」と言いながら写真を撮り、アパートの入口を入ると、異常に高い天井、正面にはガラス張りとなった向こうに黒っぽい岩石の壁があり、そこも水が流れ落ちている。至る所に水が流れており、「水の王宮(アパート版)」のようです。

目を引くロビー。岩の上を水が流れている

レセプションの豪華さ!

部屋に入ると、なんと、愛想の良いオーナーさんが待ち構えていて、ドアを開けて出迎えてくれました。部屋はモデルルームのようにきちんとセッティングされ、食卓には食器やカトラリー、サイドテーブルにはお茶セットまで並んでいます。

リビングルームとダイニングルーム

手前のテーブルにはティーセットがセッティングされていた

ラ・ヴィは、アパルトメン・プラザスナヤンを手がけた鹿島建設が約1年半前に建てた新築アパート。道理で、雰囲気はアパルトメン・プラザスナヤンによく似ています。それをさらに高級にした感じでしょうか。この部屋も完璧にセッティングされているものの、まだ誰も住んだことはないそうです。

部屋はそれほど広くもないですが、天井が高いのと、機能的な作りのせいで、狭いとは感じさせません。

この部屋は、2ベッドルームの1つを書斎に変えてあります。インドネシアで「WFH(Work From Home)」と呼ばれる在宅ワークにはぴったりです。「ここでオンライン会議をやったら、背景が格好良いかも」とDさん。

ベッドルームの1つを書斎にしてあった

奥の突き当たりがベッドルームとバスルーム。窓のカーテンを開けたら、外の景色を見ながらバスタブに浸かれます。洗面台が2つあるのも便利。

そして、ここはなんと、ガス台やオーブンなどの調理器具がドイツのミーレ(Miele)製品で統一されているのです。これは非常に珍しいのではないでしょうか。どんな使い心地なんでしょうか。

調理器具はドイツのミーレ。ガス台の下は、鍋、皿なども収納できる引き出し

飾ってあるシンプルな絵もすてきで、至る所にオーナーさんのセンスが光ります。オーナーのセンスは重要で、同じアパートでも、まったく部屋の印象が変わります。ラ・ヴィの別の部屋は、まだほとんど空っぽのままのハコでした。

かなりラ・ヴィに傾いてきたDさん、地下駐車場も見学しました。このアパートのすごいのは、地下階に至るまで内装の手を抜いていないことです。天井は高く、車寄せも便利で、非常に気持ち良く利用できます。

地下階もこんなに美しい

プールとゴルフ打ちっぱなし練習場(2打席)は住人のみ立ち入り可で、見学はできませんでしたが、少し見えたプールはプライベート感たっぷりで、のんびりくつろげそうでした。

ゴルフの打ちっぱなし練習場。外から撮影

新型コロナウイルス対策が徹底しており、通いのメードや運転手がアクセスキーを取得するには、2週間に1度、ラピッドテスト(アパート内で可能。10万ルピア)を受けないといけないとのこと。通いのメードさんを使っている人は、その点がちょっと面倒でしょうか。

コロナ対策が徹底している。レセプションに置いてあるペンも

La Vie

・プライベート感、高級感
・地下階の気持ちの良さ
・ゴルフ打ちっぱなしがある

・入ってすぐ、部屋になっている。玄関スペースがなく、靴を置く場所に困る
・通いのメード・運転手がアクセスキーを取得するには2週間に1度のラピッドテストが必要

2ベッドルーム(127平方メートル)2300〜2600ドル

ちなみに、以前の値段
2ベッドルーム(122〜127平方メートル)2800〜3000ドル

※値段はジョーンズ不動産調べ

案内してくれたウィナさん。明るく、オーナーとの交渉も上手。携帯・WA +62 812-1329-1858

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