ジャムーを作ろう 体を温め、免疫力を上げる 

ジョコ・ウィドド大統領(ジョコウィ)が「健康の秘訣」として「毎日、ジャムー(jamu)を飲んでいます」と語って、話題になった。ジャムーとは、インドネシアの健康飲料のこと。ショウガ、ウコンなど、生の材料を煮出して作る。

ジョコウィがVLOG(#JKWVLOG)で明らかにしたジャムーの材料は、クスリウコン(temulawak)、ウコン(kunyit)、ショウガ(jahe)。すりつぶすか小さく切って、お湯で煮出し、漉したら出来上がり。

そう言われても、分量などさっぱり見当が付かないので、「+62インドネシア料理教室」講師のミニさんに聞いたところ、「私も毎日、ジャムーを飲んでいます」と言う。ミニさんのジャムーの材料は、クスリウコン、ウコン、ショウガ、レモングラス(serai)、シナモン(kayu manis)と、「ジョコウィ・レシピ」とほぼ同じ! 違いはシナモンとレモングラスが足されていることだ。

「シナモンも体にいいんですよ。レモングラスはフレッシュな香り付けに。これは体を温めるジャムーで健康に良い。『ブラス・クンチュル』は風邪を予防したり生理の時に飲むジャムーですが、コロナ・ウイルス予防の免疫力アップのためには、こっちの方がいいと思います」とのことだ。

外で売っているジャムーの中には、パウダーを溶かしただけの即席の物もあるし、衛生状態に問題があったりするため、家で手作りした方が良い、と言う。

「免疫力を上げるためには、ジャムーとビタミンC!」と言うかけ声の下、ジャムー、ついでにミカンジュースの作り方を教えてもらった。

実の所、作り方はそんなに難しくない。材料を薄切りにして、ゆでるだけだ。材料はスーパーで売っているし、値段も安い。

右から時計回りに、レモングラス、シナモン、ショウガ、ウコン、クスリウコン

見慣れないクスリウコンは、ウコンに形が似ている。切ると、土っぽいにおいが立ち上る。色はウコンよりも薄いが、ゆでると真っ赤になる。「味はおいしくない」とのことだ。ウコンを切る時は、指や包丁に黄色い色が付いて取れなくなるので、注意が必要だ。

ゆで始めると、あっという間に、クスリウコンの赤、ウコンの黄色がグラグラ沸騰するお湯の中で競争するように混じり合い、水が暗赤色に変わる。ゆでているところを見ると、謎の液体だ。煮詰まって出来上がったジャムーは、濃くいれ過ぎた紅茶のように濁った赤色で、おいしそうにはとても見えない。

しかし、「どれだけまずいか」と覚悟して飲むと、意外に「あれっ?」と拍子抜けする。ショウガの味と香りがすっと喉を通り抜け、さわやかな後口だ。「ベリーホット」でもない「マイルド」味程度のジンジャーキャンディーから砂糖を抜いたよう。ふわっとシナモンが香る。ショウガの辛さが口に残って、最後にちょっとだけ舌がピリピリする。ミニさんによると、飲んでいると、喉や胸が温かくなってきて気持ちが良いという。

飲みにくい人はヤシ砂糖(gula merah)かはちみつを足したり、レモンやスダチ(jeruk nipis)を絞っても良い。しかし、このままでも十分に飲める味だ。私がこれまでジャムーを苦手としていたのは味が変に甘ったるいことだったので、砂糖抜きの方がむしろおいしいのではないかと思った。

朝起きてから、朝食の前に、コップ1/2〜1杯ほどの量を飲む。胃腸の強い人は、日に2回か3回、飲んでも構わない。

ジャムーの作り方

【材料(カップ6杯分)】
クスリウコン temulawak 100グラム
ウコン(ターメリック) kunyit 100グラム
ショウガ jahe 60グラム(※もしあれば、赤ショウガ=jahe merah=の方が良い)
シナモン kayu manis 15グラム
レモングラス serai 20グラム
※下写真ぐらいの量

【作り方】
①クスリウコン、ウコン、ショウガはたわしでよく洗って土を落とす。皮をむき、薄切りにする。
②レモングラスは包丁の背で全体をたたく。

③鍋に水カップ6杯、①、②を入れ、火にかける。中火で、水の量が約半分に減るまで、30分〜1時間ほど煮る。
④粗熱を取ってから、漉す。
⑤鍋にもう一度、水カップ6杯を入れ、材料を戻して、水が約半分に減るまで煮る。
⑥粗熱を取ってから、漉す。2回煮出した材料は捨てる。

※鍋は、もしあれば、土鍋の方が良い。
※冷蔵庫に入れて保管する。

ミカンジュースの作り方

続いて、ビタミンCの補給に、ミカンジュース。「jeruk peras」と呼ばれるジュース用のミカンを使う。「peras」は「絞る」という意味。jeruk perasは果肉が皮にくっ付いているので皮がむきにくく、そのまま食べるのには適さない。パサールで買うと、キロ1万5000ルピアぐらいと安い。果汁はたっぷりあるので、絞ってジュースにするとおいしい。「jeruk Medan」と呼ばれるインドネシアのミカンを使っても良い。

【材料(コップ1杯分)】
ジュース用ミカン jeruk perasまたはjeruk Medan 3個

【作り方】
①ミカンをよく洗う。
②ナイフで横半分に切って、果汁を絞る。
③ざるで漉して、種を取り除く。

※甘さが足りなければ、はちみつを加える。
※冷蔵庫で冷やして飲んでも、お湯を入れてホットジュースにしてもおいしい。

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