韓国では2000年代半ばまでメロドラマが主流だったことから、OSTの楽曲はバラードやR&Bが中心でした。
「皇帝」「貴公子」「王子」などの肩書で呼ばれ、国民的な人気を誇るバラード歌手シン・スンフン、ソン・シギョン、チョ・ソンモらは、これまでに数多くのドラマで美声を披露しています。
一方で、当時OSTを歌っていたアーティストの多くは、確かな実力を持ちながらも音楽番組への露出がほぼないことから「顔のない歌手」と呼ばれていました。しかし、その高い歌唱力で複数のドラマで主題歌を歌うなどドラマに欠かせない存在でした。
日本では韓流ブームの到来によって「冬のソナタ」のRyu、「美しき日々」のZERO、「天国の階段」のキム・ボムスらが真っ先に注目を集めました。切々と歌いあげる情感たっぷりなバラード曲と俳優たちの熱演により数多くの名シーンが生まれ、今でも多くの視聴者の心を掴み続けています。
そのほかにもOSTによく参加するアーティストとしてsg WANNA BE+やロイ・キム、K.Will、キム・テウなど。女性ではバラードの女王ペク・チヨンを筆頭に、GUMMYやDavichi、ユン・ミレなど、数え上げるときりがなく、さらに新人も続々と登場しています。
TEXT:菊池昌彦(フリーライター)
Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)