「さざ波」ツイート

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 「スペシャル・アドバイザー・トゥー・キャビネット」と英訳するそうだ。内閣官房参与は〈各種の分野で専門的な立場から首相に情報提供や助言を行う〉のが役割の非常勤の公務員で、現在の人数は10人▲その中の1人、高橋洋一嘉悦大教授のツイートが物議を醸している。各国の新型コロナウイルス感染状況をグラフで比較しながら〈日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑〉▲「さざ波」は、医療関係のある研究者の表現を引用したもの…と釈明しているらしい。しかし、その「さざ波」は現実に人々の健康や生命や生活を脅かし続けている。波の高さだけ捉えて他国と比べても意味がない▲末尾の「笑笑」…。書き言葉の限界を補うために私たちも時々使う「冗談です」「笑いながら書いています」の意図ではなさそうだ。中止論を笑っているのか、物笑いのタネを世界に提供する-とでも言うのか。どちらにせよ、五輪の先行きは半笑いで論じるべきテーマではなかろう▲高橋氏は元財務官僚。小泉純一郎政権の公務員制度改革にブレーンとして参画し「霞が関全体を敵に回した」。舞台裏を記した著書の紹介記事では「普通の人の素朴な感覚で考えているだけ」と語っていた▲「素朴な感覚」がとても残念な形に変異していないか。(智)